「ブランディング」への興味は高い
先日の福岡でのマーケティング研修の際、質疑応答でこんな質問を受けました。
私はブランディングのことを語りだしたらさらにもう1日研修が必要なのですが・・・と半分本気半分冗談で前置きしつつ、こう答えました。
ブランドは「結果」
「ブランディングというものは存在しません」
???という反応だったのでこう付け加えました。
「ブランディング(ブランド)とは、マーケティングをしっかり行ったことの”結果”である。マーケティングの結果として、『あのお店はおいしいからまた行こうね』『このバッグはおしゃれで丈夫で信頼できるから人にも勧められる』と”ブランド”が作られていくのである。だからブランドを作るための特別な”ブランディング”なる行為は存在しない」
質問をされた方はある程度マーケティング等の知識や経験がお有りのようだったので、大意は理解していただけたのではないかと思います。
もちろん上記は質疑応答の場での「ギュッと濃縮した答え」だったので、補足したいことはいろいろとあります。
ただ、いろいろな知識や言説が広がるなかで、何か「ブランド(もしくはブランディング、ブランド化)」という言葉がひとり歩きしている、という印象があります。
「そうはいってもブランドって大事でしょう?何かごまかされているみたい」
と思った方もいるかもしれません。
「ブランディング」でできたブランドは存在するか
では、何かいわゆる「ブランド」を思い浮かべてみてください。
ルイ・ヴィトン、エルメス、あるいはコカ・コーラ、スターバックス・・・。アップルやグーグルを連想した人もいるかもしれません。
それでは質問ですが、それらの企業は「ブランディング」をしたからブランドになったのでしょうか?
もしくは「あの企業(商品)はブランディングをうまくやったから、今は立派なブランドになった」という企業(商品)はあるでしょうか?
そう考えると、ブランドやブランディングは一歩間違うと単なる「言葉遊び」になりかねない、安易に飛びついてはいけない、とおわかりいただけたのではないでしょうか。
結局は普段(不断)の努力
石ころをブランディングでダイヤモンドに変えることはできません。
ブランドやブランディングというものを否定するわけではありませんが、率直に言うと、
「そんなこと考える前にやるべき大事なことがあるのでは?」
が私の考えです。
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