私が書籍を執筆していたとき、ある方にこんなことを言われました。
「幸本さん、書籍の内容は『読者が知っていること8割』『読者が知らないこと2割』でいいんです。読者は知っていることについて『うんうん、そうだよな』と背中を押して欲しいんです」
セミナーや公演についても似たようなことを言われたことがあります。
「セミナーは『当たり前のこと』『受講者なら知っているレベルのこと』が8割で、『受講者が知らないこと』は2割でいい」
と。
確かに自分が書籍を買うときも、「自分とまったく正反対の考え」の書籍を買うことはありません。「うんうん、なるほど、たしかにその通りだ。これについてもっと知りたい」と納得感がある書籍を買います。
もしあなたが「営業は計画や仕組み化が大事」と思っているのなら、「営業は気合いと根性だ!」なんて書籍を買おうとは思いませんよね。
私たちは無意識のうちに、書籍やセミナーで「新しい知識を手に入れよう」と思いつつ、実際は「自分の考えを補佐してくれる知識を手に入れよう」としているのです。
これはマーケティングの商品作りにおいても同様です。
どうしても私たちは「今までにない、画期的な商品」がお客様の興味を引くはず、と考えがちです。
しかし画期的な商品ということは、それまでの常識やお客様の好みに反するものとも言えます。
もしそれが受け入れられたらよいのですが、画期的であるがゆえに「普通とは違う」「私の好みとは違う」と拒絶されてしまいがちです。
画期的な新商品を作ろう!という場合も、書籍やセミナーと同じく、「2割くらいの新しさ」にとどめておいたほうが受け入れられやすいでしょう。
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