「ない」ものを考えてもムダ

私は先日、通勤時間帯に電車に乗っていました。

多くの乗客がイヤホンをつけていて、私がざっと見渡したところ、8割の人がスマホに有線イヤホンを直接挿していました。

「みんなケーブルをだらんとさせてて邪魔そうだな。ブルートゥースの無線イヤホンにしたらケーブルが邪魔にならなくて便利なのに。千円台からあるし」

と私は思いました。

しかしこれは私が「無線イヤホンの便利さ」を実際に知っているから思ったことです。
体験したことがない人は「スマホとの接続が難しそう」「充電が面倒くさそう」「そもそも現状で別に困っていない」と思っているかもしれません。

同様の経験として、自転車や自動車が暗いところで自動的にライトがつく「オートライト」機能があります。

私は実際に使ってみる前は「別にライトつけるくらいスイッチひとつで手間じゃないし、そんなのいらないでしょ」と思っていました。
ところが使ってみると非常に便利で「もうオートライト無しには戻れない」くらいになっています。

このように人は、使ったことが無いものは正しく想像できないのです。

無線イヤホンもオートライトも、使ったことがない人にとっては「そう?別にそんなにいいとは思わないけど」で終わってしまいます。
口頭で「それがいい理由」をいくら語っても通じません。
iPhoneの発売同時、ほとんどの識者が「売れない」と予測していたのと同じことです。

そのためアンケートなどで「もし○○が××だったらどうですか?」と聞いてもあまり意味がありません。
「その××に代わった実物」を試してみるまでは、想像の世界でしかないからです。
マクドナルドで「食べたいメニューは?」と聞くとヘルシーなサラダが必ず上位に挙がるものの、実際に売れるのはお肉たっぷりのメニューばかりになるのもまさにこれです。

お客様の実際の意見を見るには「試してもらう」のが最善です。
お客様の意見と実際の行動が違う、ということは前提の当たり前くらいに思っておくべきです。
だからこそ意見を聞くのではなく行動を見るのです。

「使えば良さがわかる」のなら、実際に使ってもらう機会を作るなどしましょう。
お客様は「ない」ものは正しく想像できません。

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