中国経済レポート① QRコード決済

2019年、GWは北京に行ってきました。

中国ではQRコード決済が普及しています。

日本でもペイペイ、 LINEペイ、楽天ペイ、オリガミペイ…などと乱立していますが、中国はすでに支付宝(アリペイ)微信支付(ウィーチャットペイ)が二大QRコード決済として普及しきっています。

知っているよ、という方もいらっしゃるでしょうが、中国での実情をお知らせします。

Q.中国でQRコード決済が普及したのってニセ札が多いからでしょ?

A.違います。便利でお得だからです。


※スーパーのレジ。もちろんQRコード決済が使えます。

私も北京でアリペイを使ってみました。(開設方法などは後述。)

使った感想は「こりゃラクだわ」

スマホのアプリを立ち上げ、表示されたバーコードを読み込ませて(またはスマホカメラで読み込んで)、あとはポチッとタップするだけ。これだけで支払い完了です。

財布を出して、お札と小銭を数えて、お釣りを受け取って…という一連のプロセスに比べて、とてもラクです。

(といっても、「現金を払う行為は面倒だ」と感じている人はあまりいないでしょうから、このラクさは体験してみないとわからないと思います)

特に私のような外国人だと、どのお札がいくらかもわからないので、バーコードをピッで決済が終わるのはとても楽チンです。おつりをごまかされる心配もありませんし、クシャクシャの古い紙幣を渡されることもありません。

それでもこのラクさがわからないという方は、電車に乗るとき、現金で切符を買うのとSuicaでタッチすることの差くらいに考えたら、いかにラクかわかるのではないでしょうか。

さらに支払いによっていろいろなクーポンがもらえます。たとえば「地下鉄に乗ると○元を割引」のような。私は外国人かつ短期利用なのでクーポンを使うことはありませんでしたが、こんなにお得なら現金じゃなくてこっちを使うよな、と思いました。

Q.屋台や小規模店舗でもQRコード決済って本当?

A.本当です。

お店からしても、現金と違ってお釣りを用意する必要がありませんし、大事に現金を金庫に入れておく必要もありません。

だからこのように、どんな小規模店舗でもQRコード決済を準備しています。

そのため冗談でもなんでもなく、中国の人は近所の外出であったら財布を持たず、スマホだけ持って出かけます。

とはいえもちろん「現金がまったく使われていない」わけではありません。お年寄りなど、現金派の人もいます。

Q.日本人でも使える?

A.原則ダメですが、方法はあります。


※セルフレジ。もちろんQRコード決済対応です。

日本でアリペイやウィーチャットペイのアプリをダウンロードし、アカウントを開設しようとしても、「中国の銀行口座や電話番号を持っていないとダメだよ」とはじかれてしまいます。

このあたりは昔は緩かったらしいですが、外貨持ち出しなどに使われないよう、最近は厳しいようです。

しかし、ある方法で日本人でもアリペイを使えるようになります。 ※ただし自己責任で。

それは「すでにアリペイを利用している人から送金してもらう」のです。

これらQRコード決済は、利用者同士の送金機能もあります。

たとえば1元でもよいので、アリペイ利用者からお金を送ってもらうのです。

するとその送ってもらったお金で支払いができるようになります。

現金で100元を渡し、その分をアリペイで送ってもらう、などすれば、アリペイに100元チャージしたのと同じことになります。

私もそのようにして利用しました。

※ただしこれらのルールは突然変わる可能性もあり、このようなアカウントは予告なく問答無用で凍結される可能性もゼロではありません。そのため私は多くても100-200元(数千円)しかチャージしませんでした。

Q.そうは言っても電子マネーはニセ札対策でしょ?

A.だから違うって。

支付宝(アリペイ)の成り立ちを「超ざっくり」説明します。
(いろいろ粗いところもあるでしょうが、専門家の方は大目に見てください…)

アリペイは元々はエスクローサービスでした。簡単に言うと「通販の支払代金一時預かりサービス」です。

アリペイは通販大手のアリババが運営しています。日本で言う楽天のようなサイトです。

消費者がアリババに出店している業者から通販で購入し、もし「頼んだモノが届かない」「粗悪なものが届いた」などのクレームが発生したらどうでしょう。アリババの信用度が低下し、消費者はアリババを利用しなくなってしまいますね。

そこでアリババは「うちのサイトで買い物をしたら、うちでいったん代金を預かるよ。それでちゃんとしたモノが届いたら、うちに連絡して。そのときになって初めてうちは業者に預かった代金を支払うよ。もし粗悪品だったら預かったお金をあなたに返すよ」というサービスを開始しました。消費者が安心して買い物ができるようにしたわけです。
(このようなサービスをエスクローサービスと言います。ヤフオクなどでも採用されていますね)

そこから
「このお金預かりシステムを活用して、通販に関係なくお金を預かって、ウチのサイト以外の支払いにも使えるようにしたらいいんじゃね?」
「リアル店舗の買い物にも使えるようにしたらいいんじゃね?バーコードをポチッと読み込めばここから引き落とせるようにして」
「利用者が増えるようにおまけやクーポンをどんどんつけよう、定期預金みたいなサービスもつけよう」
…という経緯でQRコード決済が広がったのです。(かなりざっくりです)

アリペイ等の普及は、このような経緯があります。また、クレジットカードが諸外国ほど普及していなかった、という要因もあるでしょう。さらに、日本のペイペイの20%還元キャンペーンのように、とにかくキャンペーンでお金をばらまいて普及を促した、という経緯があります。

これに対して日本はこのような経緯を経ず、どの業者も「電子マネー始めました!チャージしてね!」です。これでは「いや、現金でいいよ…」「クレジットカードあるし…」になってしまうのも無理はないですね。

日本でも電子マネーは広がりつつありますが、すでにクレジットカードなども普及しているので、どこまで広がるかは未知数です。これはiモードがあったのでスマホの普及が他国より少し遅れたのと似ていますね。

このように国や普及過程の背景が異なるので、単純に「中国は進んでいる、それに比べて日本は遅れている」と断言することはできません。それでも、このように一足とびでテクノロジーを取り入れ、そしてそれを受け入れる中国は単純にすごいなと思いました。

このようなドリンクももちろんQRコード決済でピッ、です。

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