中国経済レポート② 中国の結婚事情

北京で天壇公園に行きました。

広い公園を歩いていると、突然50~60代の女性の集団が。

地面には、たくさんの色紙大の紙が並んでいます。

これは一体何でしょうか?

そう、これは息子・娘のお見合いを代理で(勝手に?)しているのです。

ニュースで見たことがあるかもしれませんね。

紙は、自分の子供のプロフィール、そして相手に希望することが書いてあります。

そしてこのプロフィールや結婚相手に求める要求がすごい。

ストレートに言ってしまうと「エグい」

もちろんすべて同じではありませんが、男性が配偶者にアピールすること(逆に言えば女性が要求すること)は

・高身長、高学歴、高収入

いわゆる「三高」であることです。日本のバブルと一緒ですね。

女性側の紙にも、相手の条件に「○○cm以上」とはっきり書いてあります。
「できれば高いほうがいいです」なんて奥ゆかしい表現ではありません(笑)。

しかし中国は三高だけではありません。それらに加えて、

・不動産(持ち家、マンション)
・車
・北京など都市の戸籍

もアピール要素、すなわち女性が求めるスペックとなります。どれかが欠けていたら、大幅マイナスとなります。

※下部に追記あり

不動産と車はまだしも、戸籍はピンと来ないかもしれません。
私も専門ではないので詳しくはないのですが、中国は日本と違い、戸籍を好きなように移したり変えたりできないのだそうです。
だから田舎戸籍の人は、北京に転居したからといって北京の戸籍をもらえるわけではありません。
そのため田舎戸籍Aの人同士が北京で結婚しても、子供の戸籍は北京ではなく田舎Aとなり、北京の小学校に通えない…なんてことも起こりうるのだそうです。
だから語弊があるかもしれませんが、戸籍と言っても「身分」に近いものがあるかもしれませんね。

それとおそらく日本と異なるのは、男性から女性に対しても「三高」を求める点です。女性のプロフィールにも、身長、年収、学歴を書き、アピール材料としています。ある意味男女平等と言えるかもしれません。

ちなみに顔写真はほとんどありません。

ソーシャルメディアなどで広がってしまうのを警戒して、という理由もあるでしょうが、容姿はさほど重要ではない、とも言えるでしょう。

中国でなぜ未婚の男女が増えているのか、そしてなぜ本人ではなく親がお見合いしているのか、といった考察は専門家の方にお任せします。

男女ともに結婚相手に高スペックを求める傾向を見て、これはなかなか結婚できないだろうな、と思いました。

そして、入場料が必要(だからこそ?)な天壇公園でもこうしてお見合いをする親は大変だな、とも思いました。

(後日注、北京の人は年間パスで安く入場できるとのこと。)

中国のお見合い事情でした。


※後日追記

より詳しい方にコメントをいただいたので追記します。

不動産、車などの資産状況が大事と書きました。それに加え、

親含めた親族の仕事や地位なども重要であり、
都市戸籍を持っている人は都市戸籍間の結婚(北京戸籍同士)を望むことが多い

のが実情だそうです。

北京戸籍を持っている人(北京人)は昔から持っていた不動産が値上がりし、経済力があります。

そのため、結婚する本人はもちろんのこと、むしろ親が結婚相手に対して自分たちと同等であること、もしくは自分たちより上の結婚を望みます。

中国の結婚は日本以上に、当人たちだけでなく家族の問題である、という認識があります。

親子の助け合いに対する考え方も日本とは異なります。
(親が子に、子が親に家を買うなど。税金の制度が異なる事情もあります。)

また、子供も育ててくれた恩義のある親に反論できない家族感があります。

「結婚相手は一族に繁栄をもたらすものであるべき」という考えが根強く残っているのです。

それがこのようなお見合い、裏を返せば自由恋愛での結婚が難しいことにつながっています。

 

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