依頼が上手い人、下手な人

貼り紙の意味がわからず…

先日、出張でホテルに宿泊しました。

(以下、トイレの事例です。汚くてスミマセン)

客室のユニットバスには、トイレットペーパーのホルダーが二つありました。
そのうち一つにだけ、ホルダーのフタ部分にシールが貼ってあります。
そこにはこんな主旨のことが書いてありました。

「限りある貴重な資源を大切に、ご協力をお願いします」

私はそれを見て「???何が言いたいのだろう?ペーパーをあまり使うなってことかな?」と思いました。
それだけでは意味不明なので、そのシールに書いてある英語部分も読んでみると、

「資源保護のために、ペーパーはこのシールが貼ってないほうから使ってください」

と書いてあります。
つまり、トイレットペーパー二つを各自バラバラに好きなように使うと両方とも半端に減ってしまう、だから一方を先に使い切ってください…という主旨だったのです。
冒頭の日本語の「限りある貴重な資源を大切に、ご協力をお願いします」だけではこの意図は伝わりません。

これだったら素直に「このシールが貼っていない方からご使用ください。」と書けばそれで伝わるわけです。

(英語だったらそう書くのに、なぜ日本語ではそうしないのでしょうか??)

間接表現では伝わらない

このように丁寧なつもりが表現が間接的で、相手には伝わらないケースはよくあります。

上司が部下に、机の上を掃除しておけよ、という意図で「机が汚いなあ、キミは」とつぶやいたとします。ところが部下はそれを単なる世間話だと受け取ったので何もせず、数日後に上司が「汚いと言ったろう!」と激怒する…といったケースです。

日本人は…と言ってしまうと主語が大きいので不適切ですが、少なくとも私の周囲には「直接に指示やお願いをするのは相手に失礼にあたる」と思う人が多いのかな、という気がします。

だから私は直接に「お願い」や「依頼」をすることを心がけています。
仕事であっても、家庭内でも。

たとえば「ドアが開いているよ」ではなく「ドアを閉めてもらえませんか」、「いつまでテレビを見ているんだ!」ではなく「テレビの見すぎだからテレビを消しなさい」といった具合にです。

遠慮で回りくどくなっていませんか

ストレートすぎる物言いはよくない、相手に命令する言い方はよくない…

そう考えるあまり間接的な表現が多くなり、その結果、相手はあなたの意図を理解できず、こちらが希望する通りに動いてくれない。
そして自分もイライラが増加して「どうしてわかってくれないんだ!」…

こんな風になっては悪循環です。

わかってくれないのなら、相手がわかるように言えばいいのです。

「~してほしい」「~してくれないか」をもっと気軽に言ってみてはいかがでしょうか。

代表・幸本陽平 プロフィール

幸本 陽平
幸本 陽平
化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。

(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました