自社商品ではなくカテゴリーを売る

「売りたい!」

こう思っている人は、ほぼ100%

「自社の商品・サービスを売りたい!」

と思っているはずです。

しかし、消費者やユーザーは、「あなた」の商品・サービスだけを見ているわけではありません。
だから、「自社のこと」ばかり考えていると、視野が狭くなり、消費者と視点がズレてしまう可能性があります。

そんなときは、自社商品ではなく「カテゴリー」を見ましょう。

丸亀製麺の前に「うどん」を売る

最近、メディアで取り上げられている事例として、丸亀製麺の復活があります。
(ペイドパブ=お金を払った記事風広告、も多いと思いますが…)

一時期、丸亀製麺は売上が低迷していました。
そこで、新商品・キャンペーンを連発し、お客さんを取り戻そうとしました。

新商品の発売は、「丸亀製麺でうどんを食べようかな」と迷っている人には効果があります。

しかし、「丸亀製麺でうどんを食べようかな」と迷う以前の人、「食事は何にしようかな、カレーかな、ラーメンかな、とんかつかな」の人には効果がないのです。

「カレーか、ラーメンか、とんかつか」の人にうどんを選んでもらい、さらにその人に丸亀製麺を選んでもらう。このステップが必要なのです。
それなしにキャンペーンを連発しても、うどんという狭い世界で客を奪い合うだけなのです。

そこで丸亀製麺はすべての店で粉からうどんを打っていることなどを強調し、「自社」の前に「うどん」そのものを食べたくなってもらうようにしました。結果、売上が回復しました。

クーリッシュの競合はアイスクリームではなく…

ロッテのハンディアイス「クーリッシュ」も同様です。

クーリッシュ発売当時の2003年ごろ、アイスクリームは「どうやったら他のアイスクリームではなくこの商品を選んでもらえるか」を競争していました。

しかし、消費者の頭の中は、アイスクリームだけを考えているわけではありません。

「冷たくてさっぱりしておいしいもの」であれば、ジュース、アイスコーヒー、シェイク…など様々な選択肢があります。

特にアイスクリームの競合は、ペットボトル飲料です。持ち運びが容易で、すぐに飲みきらなくてよいところや手が汚れにくいところはアイスクリームよりはるかに優位です。

そこでアイスクリームも持ち運びしやすく、片手で気軽に食べられて汚れないようにすれば…と生まれたのがクーリッシュです。

これも、他のアイスクリームの競合だけを見ていたら生まれなかった商品でしょう。

商品の前にカテゴリーを

売りたい気持ちが先行すると、どうしても「我が社の商品」を売りたくなります。
それは当然で、自然な気持ちです。

しかしお客様はあなたの商品「だけ」を見ているわけではありません。

まずは「うどん」「アイスクリーム」といった”カテゴリー”を選んでもらう必要があります。

「自社商品をもっと売るには」を考えるとき、一旦は自社商品を忘れて、

「自社商品のカテゴリーをもっと売るには」を考えたほうがいいかもしれません。

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