高級ホテルを作るワークで…
「オリジナルの高級ホテルを作るとしたら、どんなホテルにしますか?」
研修のワークで、こんなテーマを出すことがあります。
さて、あなたならどんなホテルにしますか?
ワークに取り組むグループを見て回ると、たいていこのような言葉が聞こえてきます。
「高級ホテルだから、非日常感を…」
「高級ホテルといえば、非日常的な空間が…」
さて、ちょっと待ってください。
ここでポイントは2つあります。
1.高級ホテル=非日常 は本当?
「高級ホテルといえば、非日常感が必要」
これは本当でしょうか?思い込み、決めつけではないでしょうか?
高級ホテルの利用者には「世界中を飛び回る経営者」や「ホテルを自宅としている人」などもいます。
そういった人にとって、ホテルはむしろ「普通の生活」で「落ち着く場所」であってほしいのではないでしょうか。
自分の好みやイメージの範囲内で
「高いってことはそれだけ非日常的な雰囲気にしなきゃね~」
と決めつけてしまうのはキケンです。
2.そもそも「非日常」って何?
もう一つのポイントは「非日常」という言葉です。
これってどういう意味でしょうか?
グループワークをする全員が同じことを想像できるでしょうか?
たとえば「普段メキシコ料理を作らないけど初めて作ってみた」人にとっては、そのメキシコ料理を作る行為は「非日常」かもしれません。
駅からいつもと違う道を歩いて帰るのも、日常と違うという意味では「非日常」かもしれません。
このように非日常という意味はとても広いため、「高級ホテルに必要なのは非日常だよね」だけでは、それぞれ違ったイメージをするかもしれません。
きっかけのワードとしてはよくても、そこから絞りきれていません。
ふかふかのベッドで寝るのが非日常の人もいれば、ハンモックで寝ることを非日常でイメージする人もいるかもしれないからです。
つもり語に気をつけよう!
「非日常」のように、
何かを言ったつもりになるけど、実際は何も伝わらない言葉
のことを、私は
つもり語
と呼んでいます。
他にも代表的なつもり語はこんなところです。
・付加価値
・おもてなし
・抜本的な見直し
いずれも「何か言っているようで、何も言っていない」あるいは「人によって具体的な解釈がバラバラ」な言葉です。
「おもてなし」は、きめ細かく頻繁な接客をイメージする人もいれば、何もせずに放っておく環境を整えることをイメージする人もいますからね。
高級ホテル=非日常!のような
・決めつけ、思い込み
・つもり語
は気をつけましょう。
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