モチベーションを高める二つの方法

モチベーションは存在しない

「部下のモチベーションが低い」
「社員のモチベーションを高めるにはどうすればよいか」

こんな風に考えたことはありませんか。

私はコンサルティングや研修でモチベーションとは何か、どうすれば高められるのかを質問されると、このように答えます。

「モチベーションなんてものは存在しません。熊に襲われたとき『逃げるモチベーションが上がらない、だから逃げない』なんて言いませんよね?」

「だから、モチベーションなんてものを考えても意味がありません。人は『やるべき』ことはやる、『やらなくてもいい』ことはやらない、それだけなんですよ」

…ここまでストレートではありませんが。

しかしこれだけだといくらなんでも突き放しすぎですので、補足します。

モチベーションを高める二つの要素

モチベーションは内発的動機づけのことですが、多くの人が「やる気」くらいの意味でとらえていると思います。

「やる気」よりも「モチベーション」と言ったほうがかっこいいですからね。

ここでは単純に「人がやる気を出すにはどうすればよいか」をご紹介します。

「やる気」は以下の二つが揃うことが必要です。

1)自分が影響を与えられること
2)自分にメリットがあること

たとえば「この石を自力で持ち上げたら賞金をあげます」というコンテストがあったとします。

1)自分が影響を与えられること

これは言い換えると
「自分のコントロールできる範囲がある程度存在すること」
「完全に不可能ではないし、努力がまったくのムダにならないこと」
とも言えます。

もしもその石が500kgだったら、個人がいくら筋トレなどを頑張っても持ち上げるのは不可能です。
だからどうせできっこない、と「やる気」が失われます。

でも石が100kgだったら、「今は無理だけど筋肉をつければいけるかも」と思えます。

自分が影響を与える範囲がある程度あることがミソです。

「サイコロを振って大きい数が出た方が勝ち」というゲームは、自分が影響を与えられない=運100%なので、やってもあまり面白くはないですよね。それと同じです。

2)自分にメリットがあること

仮に1)の条件を満たしても、そのコンテストの賞金が100円だったら「やる気」は起きません。

人はその行動をすることが自分にメリットがあると思えばやる気が起きます。

経済学でいうところの「インセンティブ」ですね。

ですからお金だけではなく「ほめられてうれしい」「かっこいいと思われる」「配偶者の機嫌がよくなる」などもメリット=インセンティブです。

社員のモチベーションを高めるには

以上から社員のモチベーション=やる気を高めるにはどうすればよいか、を考えます。

モチベーションが「出ない」仕事はこんな仕事です。

・自分で工夫や裁量の余地がない。言われたことを言われた通りにやる。
・自分でやったことが、誰に、どのように役立っているのかわからない。
・頑張っても頑張らなくても変わらない。頑張ってもメリットがない。
・金銭以外のインセンティブ=ほめる、感謝されるなどの機会がない。

社員にモチベーションを出してもらうにはその反対にすればいいのです。

自分が影響を与えられる

・工夫や裁量の余地がある、自分がコントロールしている実感がある
・自分の仕事が誰に、どのように役立っているかわかる

自分にメリットがある

・頑張って成果を出せばその分いいことがある
・他者にほめられたり、感謝されたりする

社員のモチベーションでお悩みでしたら、参考にしていただければ幸いです。

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