営業やプレゼンは「説明」しない

Q.営業担当者にもっと営業力をつけてほしいと思います。営業の能力を高めさせるにはどうすればいいでしょうか。

A.営業の際に「説明」しないことです。


1.売りたいなら説明してはいけない

私はプレゼンテーションの研修や営業活動のコンサルティングを行っています。

また、資料作成の指導や代行も行っています。

プレゼンテーションや営業を指導する際に必ず言うこと、それが

「説明してはいけない」

です。

「えっ、どういうこと?詳しくちゃんと説明することが大事ではないか」

こう思う方もいるかもしれません。

プレゼンテーションのゴールとは何でしょうか?

詳しく説明して、わかってもらうことでしょうか?

そうではありません。
(だったら、プレゼンなどと言わず「説明」でいいわけですよね。)

プレゼンの目的は「相手に行動してもらうこと」です。

こちらの提案に、相手にYESと言ってもらう。買ってもらう。行動を変えてもらう。などです。

2.「説明」はこちら目線、「行動」は相手目線

では改めて「説明」について考えてみましょう。

説明とは、あなたが相手にする行為です。

いわば、一方通行の行為です。

大事なのは、説明がわかったかどうかではなく、相手があなたの望むような行動をするかどうかです。

だからプレゼンはあくまでも「相手目線」でなければなりません。

「うまく説明、きちんと説明」は相手目線ではなくあなた目線で考えていることがほとんどです。

プレゼンはまず「相手に興味がない」前提で考える必要があります。

プレゼンというと、大手企業の商品発表会のようなものを連想する人が多いかもしれません。

しかしこのような発表会に参加する人は、マスコミの記者など、もともとある程度は興味や意欲がある人たちです。

一般のプレゼンはそうではなく、「興味も関心もない人に、この商品を買ってもらうためにプレゼンをする」ようなケースが多数派です。

だからそんな人にいきなり説明をしても、興味を持ってもらうことは困難です。

あなたも家電量販店などで、なんとなく展示商品を見ていただけなのに、店員さんが突然隣に立って一方的に説明を始め、ひいてしまった…

こんな経験があるはずです。

プレゼンでいきなり一生懸命「説明」するのは、この店員さんのようなものです。

3.プレゼンに欠かせない三原則

プレゼンの三原則は以下のとおりです。

1.興味の無い人に

2.理解と納得をしてもらい

3.具体的な行動をしてもらう

プレゼンを受ける人は、あなたの提案に懐疑的だったり、「早く終わらないかな」と考えたりしている可能性すらあります。

そんな人に、いきなり「市場の状況は…」「我々を取り巻く環境は…」などと話し始めると、

「それってこの提案に関係あるの?」
「我々はあなたからお勉強をしたいわけではないんだけど…」

と、ますます気持ちが離れていってしまう可能性があります。

だから「私のプレゼンを聞くといいことありますよ、得をしますよ」と伝え、理解と納得をしてもらう必要があります。

そして最後に「購入する」「申し込む」などのアクションをしてもらう必要があります。

ですから「ご検討ください」などではなく、「購入の際は、営業担当の○○にお声がけください。10日以内のお申し込みでしたら5%オフです」など、具体的な行動を提案する必要があります。

プレゼンでも、営業でも、大事なのは「わかりやすい説明」ではありません。

「あなたの話を聞く価値あるの?」「どうせ大したことないんでしょ?」と感じているお客様の心のバリアを取り除き、

「なるほどそれはよさそうだ!」「じゃあそうしよう!」と具体的に行動してもらう

それが真の「お客様目線」と言えるでしょう。

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