気になるコトバ~言語化

私、幸本陽平が気になる言葉についてご紹介します。

今回のテーマは「言語化」です。

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最近、ソーシャルメディアやニュース記事で「○○が私の言いたかったことをわかりやすく言語化してくれた」というフレーズをよく見かけます。

しかし、この言葉はまるで「本当は自分も気づいていたけど、言語化しなかった(できなかった)だけ」と、自分の洞察力を暗にアピールしているように感じられます。いわば後付けや後出しジャンケンではないか、と思ってしまいます。

そもそも、何かを「言語化できない」ということは、その内容をまだ完全に理解していない可能性が高いです。理解しているのならば、自分の言葉で表現できるはずだからです。

勉強法などでよくおすすめされるのが、「人に教える」ことです。人に教える(説明する)と自分の理解が高まる、と言われます。感覚や思考を具体的な言葉にすることによって、自分自身も深く理解することができるからでしょう。

深く理解していない状態では、うまく言語化できません。漠然とした感覚でうまく説明できないとしたら、それはまだ表面的な理解にとどまっているということです。

「うまく言語化してくれた」の怖いところは、まだ自分の中で分かっていない部分があるにもかかわらず、それを認めなくなってしまうことです。自分の理解の未熟さを認め、他者の表現を学び、称賛しましょう。それによって自分の言語化スキルも同時に磨かれます。

「言語化してくれた!」の後出しジャンケンにならないためには、言語化に優れた人のスキルを褒めるべきです。「この人は私よりも深く理解している、だから言語化できるんだ」と素直に認めましょう。

代表・幸本陽平 プロフィール

幸本 陽平
幸本 陽平
化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。

(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身

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