先日、私の研修の中で「我が社の商品を買っているのはこんな人、と決めつけていないか」「本当に買っているのは誰か知る必要がある」といった話をしました。
それについて参加された方が、こんなことをおっしゃっていました。
(勝手に紹介させてもらってスミマセン)
「私の70歳になる母親が最近運動を始めて、ジムに通っていろいろやっているらしいんですよ。
それで誕生日プレゼント何がいい?って聞いたらプロテインって言うんですよ。70歳がプロテインですよ。(そんな高齢の人がプロテインを欲しがるなんて)普通、企業は想像もしないですよね」
「本当は誰が買っているか」が見えていますか?
あなたがプロテイン会社のマーケティング担当だったらどうでしょうか。普通、プロテインというと筋力トレーニングをバリバリこなす成人男性、あるいは甲子園を目指す男子高校生などに売るべき、と考えますよね。
まさか70歳の女性が顧客になりえる、なんて考えもしないでしょう。
もちろんこの70歳の女性は、全プロテインユーザーから見たら0.1%以下の例外中の例外かもしれません。
「70歳の女性向けのプロテインを作れば売れる」というわけでもありません。
それでもこうしたたった一件の事例でも、「私たちの商品を買う人を、私たちは決めつけていないか?」と思い返すきっかけにはなりますよね。
それに今は仮に「70歳以上向けのプロテイン」の市場があまりないとしても、今後さらに高齢化が進めば、このような市場は期待できるかもしれません。そのような未来を考えるヒントにもなります。
高級スピーカーでケータイゲームを楽しむ?
他にも、私の訪問聞き取りを実施したときのことです。
ある高級スピーカーのユーザーを調査したところ、何と「ケータイにつないでケータイゲームの音楽を流す」という楽しみ方をしていました。
数年前とはいえスマホもある程度普及していた頃です。そこでスマホですらなく、折りたたみのケータイ電話を高級スピーカーにつないで使っていたのでした。
これも企業側からは絶対に想像できませんよね。でも「事実」なのです。
机上の想像よりも、一件の事実です。訪問聞き取りも含め、現場を知ることの大切さを改めて思い知らされました。
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