あなたはカレー屋さんの前に来ました。
看板には「100時間煮込んだカレー」とあります。
それはおいしそうだ、と中に入り、注文します。
しかし、そのカレーはおいしくなかった…。
そこで店主に「どうです、ウチのカレーは100時間も煮込んで手間暇かかっているんですよ。すごいでしょう」と言われたらどう思うでしょう。
価値のモノサシは人によって違う
いや、いくら時間をかけても、おいしくなかったら意味がないよ!と思うのではないでしょうか。
これは極端な例としても、このように
「売る側の価値=ここがスゴい」
と
「買う側の価値=それは重要じゃない」
がズレていることはよくあります。
特に、売る側が自分たちの業界や経験に固有のことを、無意識のうちに「フツー」と思っていると、そのようなズレが起こります。
低価格=価値?
以前、スーパーマーケットで研修をしたときのことです。、「~では、『お花見』にぴったりな商品や企画を考えてください」と課題を出しました。
すると、ほとんどのグループが「1個400円のおつまみが、3個で1,000円になる」といった価格訴求の提案をしてきました。
お客様に喜ばれる=価格、という発想が染み付いてしまっているのでしょう。
(私の研修の是非については棚に上げます。)
これと同じように、自分のモノサシを無意識に別分野に当てはめてしまうと、価値を見誤ります。
かかった労力=価値?
たとえば常駐SEや派遣会社などとの契約は、支払う(支払われる)金額を「人数×時間」で計算します。
それをそのまま別業界に当てはめてしまうと、単純に「かかった手間」だけで金額を決めてしまい、冒頭のような「成果は出ていないけど、頭数はかかっているのだから高額」という判断をしてしまいがちです。
反対に、あなたがお金を払うときも、
「これにどれだけの時間を相手がかけてくれたか」
ではなく、
「これにどれだけの価値を私が感じるか」
で判断するべきでしょう。
「虫歯を3秒で抜くのにそんなに金がかかるのか?」
「では3時間かけて抜きましょうか」
というジョークがあるように、時間や労力ではなく、正しい「価値」で判断することが大切です。
(そしてお客様の本当の「価値」を知りたければ、5人聞き取りをどうぞ)
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