最近読んだ雑誌に、ユニークなカバンが紹介されていました。
それを製造した人が次のように答えていました。
私がこれを作って売ると、いろいろな人にこんなものは誰が買うんだ、絶対に売れない、と言われました。もっとマーケティングをしないといけない、と。
これを読んで、私はうーん…と思いました。
それはこの「マーケティング」の言葉の使い方です。
ああ、マーケティングという言葉はまだこんな風に理解されているのだな、と。
ここでいうマーケティングとはどんな意味でしょうか?
私が勝手に解釈してみました。(違ったらごめんなさい)
マーケティング=売れるものを作ること。何が売れるか調べること。消費者が何が欲しいかを考え、そこから商品を作ること。
どれも100%間違いとは言えないものの、私の定義するマーケティングとは微妙に異なります。
おそらく多くの人にとって、マーケティングという言葉に「迎合」というニュアンスを抱いているのではないでしょうか?妥協、折れる、と言ってもいいでしょう。
よくあるのがこういうフレーズです。
「ウチが成功した秘訣?ウチはマーケティングを一切していません。私が作りたいものを作っているんですよ」
この場合も、マーケティングは「(その人が作りたいかどうかは別として)何が売れるか調べてから作ること」という意味で使われます。
そのため、ともするとマーケティングは「消費者に尻尾を振って」「あざとい」「せこい」「いやらしい」というイメージを持つ人すらいるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、私が定義するマーケティングはそうではありません。
「何が売れるか調べること」でもなければ、「消費者に迎合して売れそうな策に走ること」でもありません。
※だいたい、調べれば売れるんだったら、世の中のあらゆる商品が売れていますよね…
マーケティングとは、
「買う人も売る人も幸せになること」
です。そのための活動すべてがマーケティングです。
だから「消費者調査なんてしてないけど、これを欲しがる人は絶対にいる!これを買えばお客さんは幸せになる!!」と信念を持って製造販売するのなら、それもその人なりのマーケティングの一つです。
(もちろん、それで実際に買う人がいなければただの思いこみであり、「失敗」ではありますが…)
特に「調べること」「データを集めること」がマーケティングだと誤解されている例が多すぎます。
それらはあくまでもマーケティングの一部です。
iPhoneはデータを集めたから誕生したのでしょうか?
消費者調査を行い、それを元に商品を作れば、必ずヒットするのでしょうか?
違いますよね。
マーケティングのスタートは「どうやったら買う/使う人が幸せになるだろうか?」です。
そのために調査が必要ならすればいいし、必要ないと思うならしなければいい。それだけのことです。
「マーケティング=売るテクニック」といった、間違った解釈を世の中からなくし、正しいマーケティングの意味と価値を伝えることが私の使命だ、と改めて思いを強くしました。
【宣伝】そのあたりの「マーケティングって何?」は私の著書に詳しく載っています!
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