以前、私はエントリで
「私はコンサルタントとしては若く、これは普通に考えると弱みである。
しかし反対に『お客様からダメ出しされやすい』ことは強みだ」
と書きました。
これを経営者であるあなたに置き換えて考えるとどうでしょうか。
あなたは、社内で「ダメ出し」されますか?
「社長、これは間違ってます!」
「社長、そういう言い方はやめてください!」
おそらく、されないでしょう。
では、社員のみなさんは社長に言いたいことが何もないか?といえば、そんなことはないでしょう。
もちろんその「社長に言いたいこと」をすべて聞く必要はないですし、仮に聞いてもすべて対応する必要はありません。
しかし、社員は社長に言いたいことがあるのに黙っていたら、それはとてももったいないことです。
自分に注意したりダメ出ししたりする人がいない環境にいると、いわゆる「裸の王様」になってしまいかねません。
では、どうすればよいのでしょうか。
「みんな、私に好きなことを何でも言ってくれ!批判やダメ出し、何でも素直に聞く!」
と言ったところで、それを信じて言ってくれるわけがありません。
こんなときは「演技」をしてもらいましょう。早く言えば「ヤラセ」です。
社内に一人くらいは「ズバズバものを言いそうな人」がいるはずです。
(実際に言わなくても「そういう雰囲気がありそう」でいいのです。)
その人と会議などの前にこんな打ち合わせをします。
「私(社長)が~をしようと提言する。それにお前が理由をつけて反対してくれ。そして私がわかった、その通りだな、と提言を撤回する。」
そして「みんなも今みたいに思うことがあったら言ってくれ」と付け加える…とひと芝居打つのです。
もちろんこの一回ですべてが変わる、ということはないでしょうが、少しずつ「あれっ、社長に物申してもいいんだ。聞いてくれるんだ」という雰囲気を醸成することが大事だ。
「冗談じゃない、私の会社なんだから私がやりたいようにやるんだ。社員に物申されるなんてまっぴらだ」
という方もいることでしょう。
それはそれで自由です。しかしそのような会社と社長は「そのレベル」で終わります。自分は万能で、どの社員よりもすべてにおいて上だ、と思うのならそれでもよいでしょう。
「ダメ出しや注意をされない」のは恐ろしいことです。実は裸でいるのに気付かないかもしれません。「ダメ出ししてくれる雰囲気」を作って損はありません。
コメント