先日の東京出張時、新宿で空き時間があったので、ルミネtheよしもとを見に行ってきました。
このようなお笑いライブを見たのは初めてでした。
私が見た平日の日中は前売り2,000円、当日2,500円と映画プラスアルファくらいの値段で、ふらっと入れる価格帯です。
テレビでもよく見るような芸人さんが70分、コントや漫才などを披露していました。
テレビではできないような、芸能界の薬物問題だとか下ネタとかがけっこうありました(笑)。
私はお笑い評論家でもなんでもないのですが、芸人さんの言動の中に
「これは、私たち一般の人でも『伝える』ために大事なポイントだな」
と感じる発見があったのでご紹介します。
売れている芸人とそうでない芸人の違いとは
本編の前に、いわゆる「前説」として若手芸人が登場します。
そこで注意事項を説明したり、吉本興業のプロモーション活動を紹介したりしつつ、ひと笑いとって会場を温め、その後の芸人さんがやりやすくするのです。
失礼ながら、前説は無名の芸人さんが担当するため、技量もまだまだです。
その前説の芸人さんと、本編の売れている芸人さんを比較すると、こんな違いがありました。
売れていない芸人は、常に「ウケているか」を気にしている。
売れている芸人は、常に「自分たちのネタ」をやりきる。
前説の売れていない芸人さんは、何かボケるたびに「今のはウケましたね!」「あれ全然ウケなかったですね!」といちいち客席の反応を気にしていました。
これが続くと、客の私たちとしては「私たちが笑うかどうかをチェックされている」ような気分になってしまい、気が散ってしまいます。
「ウケているかな!?」という芸人さんの緊張がこちらまで伝わってきてしまうのです。
一方、売れている芸人さんは、このようにわかりやすく客席を気にすることはしません。
ウケてもウケなくても、いつも通り、自分たちのネタをやりきります。
だから見るこちら側としても安心してネタに集中できます。
それに売れている芸人さんは、ウケなかったときの「カバー」する技術もあります。
ウケなくても「今の、全然ウケへんかったやないか!」とつっこんだり、セリフに詰まっても「噛んだ(言い間違えた)けど言い直さなくていい?」などと笑いに変えるのです。そのため、「あれ、最初のはわざとすべったの?」と思ってしまうほどです。
そうやって堂々としていれば、仮につまらなくても「笑いの感覚が自分と違うだけなのかな」と、こちらが悪いような気になってきます(笑)。
聴衆への気遣いは大切だが、気にし過ぎは禁物
これは芸人さんだけでなく、私たちの普段のプレゼンなどにも通じます。
プレゼン中にずっとおどおどして、「すみません、今のはわかりにくかったかもしれませんが…」「自信がないんですが、自分ではこれでいいと思うので…」などと聴衆の様子をうかがっていたらどうでしょう。
それは相手=聞き手のことを気にかけているようで、自分のプレゼンに自信がなく、集中できていないだけです。
たとえ自信がなくても「さあ、私の発表を聞いてください」と堂々としていたほうが、聞く側も安心して集中して聞くことができるでしょう。
伝える相手、聞き手を「気にかける」ことはある程度は必要ですが、「気にしすぎる」ことはよくありません。
プレゼンなどでは、私が主役だ!という堂々とした姿勢で臨むことが大切だ、とルミネtheよしもとで気付かされました。
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