昨日のブログでは、高級ブランドでの経験と安易な値引きの危険性についてお話ししました。
値引きで思い出すのが、日本はバブル以降、いかに「小さく、少なくするか」ばかり考えてきた気がします。
(急に大きい話ですみません。)
バブルによって「拡大や成長にとらわれすぎるとろくなことがない」とトラウマになってしまったのかもしれません。
いかに大きくするか、増やすかではなく、「今と同じ成果を少ない人員で達成するには」「いかにお金を使わずに済むか」ばかりに気が向いている気がします。
私が業務改善をテーマに研修を行ったときのことです。
改善なのですから、たとえば「今と同じインプットで、アウトプットを増やす」という提案もあるはずです。
広告費は今のままで、売上を120%にしよう!という発想ですね。
しかし業務改善を考えてもらうと、今の業務をいかに少人数でやりくりするか、いかにより短い時間で終わらせるか、といった意見ばかりで、がっかりしてしまいました。
特に研修対象が公務員だと「アウトプットを増やす」という発想がないらしく、私が「成果を高めるのも改善です」と言ってもピンと来ない様子でした。
文字通り、悪を善に改変する=マイナス値を減らすことだけが「改善」という解釈だったようです。
昨今の人手不足という言葉も同様です。
インターネットでこんな書き込みを見つけました。
「車を20万円で買いたい。でも20万円で買える車はない。車不足だ」こんなことを言う人はいない。
しかしこの「車」を「人手」にあてはめたのが今の「人手不足」だ。
経営が苦しいのでなるべく人件費=賃金を抑えようと努力した結果、世の中にお金が回らなくなり、企業は余計苦しく…という悪循環になったのでは、と思ってしまいます。
いかに安くするか、小規模で、低コストで…。これを30年近くやり続けた結果が今の日本の経済状況である、と言ってもよいかもしれません。
もちろん不況時に財布の紐をきつくするのは仕方ないことです。しかしそれにも限界があります。
「小さく・少なく」を「大きく・多く」へのマインドの転換が必要なのではないでしょうか。
コメント