話題の書籍、
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
を読みました。
- 世の中の国は、先進国と途上国がある
- 世界はますます二極化し、豊かな人はより豊かに、貧しい人はより貧しくなる
- 戦争や病気で命を落とす人は年々増えている
こんな風に書いてあったら、問答無用で「うんうん、そうだ」と思ってしまうのではないでしょうか。
それに対して著者は「ファクト」を突きつけます。
- 世界で病気や災害、戦争で命を落とす人は減っている。
- 世界の平均寿命や、初等教育を受けている人の割合は、私たちが思っているよりずっと高い。(詳しくは本書を)
特に私が印象に残ったのは
- 貧しさもグラデーションがあり、一様に貧しいわけではない。
豊かさを4段階に分けると、著者の出身のスウェーデンはレベル4。
その下にはレベル1-3があり、ともするとそれらをすべて「貧しい」国、とくくりがちです。
しかし1日1ドル以下で暮らすレベル1と、バイクで移動しガスも水道もあるレベル3とでは、大きな隔たりがあります。
そこを気付かずに「豊かな先進国と貧しい途上国」のようにくくってしまうのは非常に危険である、と気付かされました。
ファクトを大事にする、というのは私のトライアングル式問題解決法の「スタート」と同様で、そこに強く共感しました。
人は、思い込みに強く縛られています。いや、思い込みがあるということにすら気付かない人が大半かもしれません。
スタート=ファクトがわからないまま進めるのは、マラソンのスタート地点を間違っているようなものです。いくら頑張っても正しいゴールには至りません。
特に本書のように、スタート=ファクトは本人の「願望」が入ってきます。「途上国の人は貧しいかわいそうな人であってほしい」というような。それを本人は願望とすら気付きません。
かくいう私も本書に出てくる「ファクト」には知らないものも多くありました。
特に大事なのは「数字で表す」こと、特に「比率」と「変化」で表すことです。
たとえば「世界には○○な人が10億人いる」というとスゴい数です。
しかし世界の人口は約74億人なので、世界の人口の14%にすぎません。
(もちろん、14%だからどうでもいい、ということではありません。このあたりは本書でも強調されています)
私もスタート=ファクトは大事にしているつもりですが、改めてその重要さに気付かされる一冊でした。
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