日々、問題解決の研修やセミナーをする中で気付いたことがあります。
問題解決が苦手な人はどう考えているのか、その思考を分析すると、
「問題を”解決”しようとしているから、問題解決ができない」
とわかりました。
これだけでは???だと思いますので、解説します。
実際の仕事で問題”解決”することはほとんどない
問題”解決”という言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?
問題がスッキリなくなること。問題に対して正しい答えが出せて、きれいサッパリうまくいくこと。
テストで100点を取る、クイズで全問正解する。
こんなイメージですね。
しかし、日常や仕事での問題解決で、こんな風に正しい答えが出ることはまずありません。
たいていは、何が正しいかわからないまま、「こっちの方がよさそうだ」と試行錯誤して進めていくものです。
これなら完璧だ、解決だ、と確信を持って問題”解決”に取り組むことはほとんどありません。
それにもかかわらず、”解決”という言葉のイメージから、問題解決を「バッチリOKにするもの」というイメージで取り組む人が多いようです。
だから問題解決とは問題を”なくす”・”つぶす”ことだと考えてしまいます。
するとどうなるか。
「これが答えだ!」という案にいきなり飛びつきます。問題の分析や整理を飛ばし、手っ取り早いアイデアを解決法としてしまうのです。
もちろんそれで最適な解決法が導き出せるはずがありません。目をつぶってバットを振っているようなものです。いつかはたまたま当たってホームランになるかもしれませんが、効率が悪すぎます。
問題は「解く」よりも「うまくやる」
真の問題解決とは、問題をなくす・つぶすことではなく、「うまくやる」ことです。
英語のManageに相当します。少しニュアンスは異なりますが、「問題管理」と言い換えた方がいいかもしれません。
現実の問題解決で、スパッと答えが出て解決できることはまずありません。なんとか「うまくやる」ことの方が大切です。だから、問題”解決”よりも問題”管理”をすべきなのです。
問題解決のコツは、「スッキリ解く」マインドをまずは「どうにかうまくやる」マインドに変えることです。
※ではその「どうにかうまくやる」にはどうすればよいか?は、拙著 実践 トライアングル式問題解決法 をお読みください。
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