「伝わる」文章を書くコツはいくつかあります。
その中でも代表的なひとつをお伝えするとしたら、
「頭の中で思い浮かんだことを、そのまま書かない」
ではないか、と思います。
なぜ頭の中で思い浮かんだことをそのまま書いてはいけないのでしょうか。
それは、「話し言葉を聞く」ことと「書き言葉を読む」ことは、まったく異なるからです。
たとえば極論ですが、ものすごく面白い漫才も、それを文章に起こしたものをただ読んでも、あまり面白くないはずです。
反対に会議などで、書類に書いてある文章を発表者がそのまま読み進めた際、その音だけだとまったく頭に入らない、というケースもあります。
頭に思い浮かべる文章は基本的に「話し言葉」です。それを読んでわかりやすい言葉に変換する必要があります。
たとえばこんな風に「話す」ことはないでしょうか。
「カレーにはお肉を入れますが、お肉は好みでなんでもいいんです、別に、好きなように入れてくれれば、ただ、関東だと豚肉で、関西だと牛肉が多いみたいですね、関西では豚肉はカレーに入れないから、関東ではカレーは豚肉ですよって言うと、えーって、びっくりするみたいですよ」
これが「話し言葉」であれば、わりとすんなり通じます。(想像してみてください)
しかしあなたはこれを文章で読んだため、よく読めばわかるけど、すんなりとはわかりづらい、と感じたのではないでしょうか。
以上の文章をなるべく意味を変えずに「書き言葉」にしてみましょう。
・カレーに入れる肉は好みでなんでもよい。
・カレーの肉は関東は豚肉、関西は牛肉が多いようだ。
・そのため関西の人はカレーに豚肉を入れるイメージがない。
さきほどよりは「読んで」頭に入りやすかったのではないでしょうか。
文章を書いた後は「これって私の頭の中にあることだから私は読みやすいけど、『文章』として読みやすいかな?」と見返してみましょう。
一番よいのは他人に見てもらうことです。あなたにとっては普通の表現も、他の人にはひっかかるかもしれません。
とはいえ、いつも全文を他人に見てもらうわけにはいかないでしょう。
それ以外の視点での書き言葉で気をつけるポイントについては、また別の機会に。
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