ブランディングは”存在しない”
ある書籍を読んでいたらマーケティングとブランディングの違いについて書かれていました。
私も改めて考えてみました。
そもそも大前提として…私はブランディングというものは”ない”と思っています。
ブランディングという行為も、概念も、方法も、ないと思っています。
というのは、ブランドとは”結果として”作られるものだからです。
ルイ・ヴィトンは「ブランディング」したからブランドになったのでしょうか?
違いますよね。
ルイ・ヴィトンのバッグは品質もいいしデザインもかっこいいし、ぜひ手に入れたい…と人気になったからブランドになったのです。
だからブランディングというものは存在しない…
と言いたいのですが、あまりにもこればかり言うとめんどくさい人だと思われるので(笑)、以下では私が思う、実務に役立つマーケティングとブランディングの違いを言いたいと思います。
マーケティングとブランディング
マーケティング・・・「他よりこれがいい」を作ること
ブランディング・・・「絶対にこれがいい」を作ること
これが私なりのそれぞれの定義です。
マーケティングとは
マーケティングを考える上で必ず競合は存在します。
よくある例ですが、吉野家の競合はなんでしょうか?
松屋などの他の牛丼チェーンはもちろん、マクドナルド、立ち食いそば、コンビニなども「手軽な食事」という意味では競合です。
さらに解釈を広げると家で作る弁当→そのおかずになる冷凍食品、も競合と言えるかもしれません。
そして、競合を意識したうえで、それらを上回って、あるいは競争を回避して、選ばれるにはどうするか?を考えて、実行する。それがマーケティングです。
ブランディングとは
一方、ブランディングは競合を原則として意識しません。
「ヨソは知らないがウチはこうなんだ」その主張や存在こそがブランドになるからです。
逆に言えば競合を意識したり、研究したりするブランドはブランドになりません。
ルイ・ヴィトンが「競合はこういうバッグを出しているからウチはこういうバッグを作りました」なんて言ったらイヤですよね。
あなたが買い物をするときを考えてみればわかると思います。
特に思い入れのない商品は、価格や品質、パッケージの見た目などで、総合的に「なんとなく」「他よりはこっちが良さそうだ」と直感で決めていると思います。
それに対してお気に入りの商品、たとえば「コーラは絶対にコカ・コーラ」「靴はアディダス」「美容院は○○サロン」などと決めている場合は、それが「ブランド」になっています。
このとき、他の商品が「ウチの方が品質がいいですよ、価格も安いですよ」と言ってきても検討すらしないでしょう。なぜならそれらは「絶対にこれがいい」で選ばれていて、他との比較で選ばれたわけではないからです。
マーケティングをするときは…「他よりこれがいい」と選ばれるにはどうすればいいか?
ブランディングをするときは…「絶対にこれがいい」と選ばれるにはどうすればいいか?
を考えてみてはいかがでしょうか。
代表・幸本陽平 プロフィール
- 化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。
(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身
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