正しい方向よりも同じ方向
経営において大事なことは、「正しい方向に進むこと」。
お客様が望まない製品を作っていたら、いくら一生懸命に努力しても、売れません。
ただ残念ながら、「正しい方向」はそう簡単にはわかりません。そこが経営の難しいところです。
絶対に売れる商品やサービスがわかればそれに向かって進めばいいのでしょうが、残念ながらそうもいきません。
ただ、「正しい方向」に向くことは難しくても、従業員と「同じ方向を向く」ことは可能です。
あなたが経営者なら、従業員と同じ方向を向いているでしょうか?
あなたが管理職なら、部下と同じ方向を向いているでしょうか?
社員はあなたと同じ方向を向いていますか
たとえば
「今、会社(部署)として何に力を入れている(入れるべき)か」
「このビジネスをする上で、一番大事なことは何か」
「最も重点的に取り組まなければならないことは何か」
これらの質問について、あなたと従業員や部下が、まったく同じ回答を口にできるでしょうか?
「えっ、力を入れていると言われても … 目の前の営業を頑張っているだけですよ」
これでは「頑張る」方向性が人によってバラバラになってしまいるかもしれません。
綱引きの綱を、各自が思い思いの方向に引いているようなものです。それでは力がでません。
では、全員が正しい方向を向くにはどうすればよいか?
それは、経営者や管理職が繰り返し「我々がこの方向に向かう」と伝えるほかありません。
社員や部下が、こちらの考えていることを勝手に理解してくれて、勝手に適切に行動してくれる、なんてことはありません。
違う方向を向いて頑張っているだけかも…
社員や部下を叱ったり注意したりする前に、「同じ方向を向いているか?」を確かめましょう。
あなたがミスをした、適切な行動をしなかった、と思っている部下も、自分なりに適切だと思う方向に進んだだけかもしれません。それがあなたが思う適切な方向と違うだけかもしれません。
そんなときは「お前が間違っている」ではなく、まずは方向のすり合わせをしなければなりません。
あなたもただ「走れ」と言われても、それが100m走なのか、42kmのマラソンなのか、わからなかったら走れませんよね。
マラソンだと思ってゆっくり走っていたら「さぼるな!急げ!」と言われたらどうでしょうか。やる気をなくしてしまうはずです。自分としてはマラソンの適切な走り方をしていただけなのに、と。
注意したり叱責したりする前に、まず「同じ方向を向いているか」を確かめましょう。
そして向いていなかったら、私達はこの方向に向かうんだ、と確認し合いましょう。
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