自分は他のコンサルタントよりスゴい?
私がコンサルタント・研修講師として心がけていることに、
「マニアック競争・俺のほうがすごい競争をしない」
があります。
この仕事は、自分自身が商品です。
だから「私は他のコンサルタント/研修講師よりもココがスゴいです」「だからスゴい私を選んでね」と考えてしまいがちです。
他のコンサルタントや研修講師よりも私のほうが○○の点で上回っている、勝っている、賢い、とアピールしないと自分を選んでもらえないんじゃないか…そんな風に思っていました。
しかし、必ずしもそうではないな、と気付きました。
当時は感銘を受けたセミナーも…
私がまだ新卒1-2年目の頃、あるマーケティングのセミナーを自主的に受講しました。
その頃、すでに仕事としてマーケティングを行ってはいましたが、そのセミナーがとても面白く、
「なるほど、そういうことか!これは面白い!」
と非常に感銘を受けたことを覚えています。
とはいえ、今になってそのセミナーを思い出してみると、「なんだ、そんなこと当たり前じゃないか」と思ってしまうような内容ばかりです。
ではそのセミナーはダメなセミナーなのか?というともちろんそんなことはありません。
当時の私と今の私とでは求めるマーケティングのセミナーが異なるだけです。
もしもその講師が「私はこんなスゴいことも知っている」とセミナーを行ったら、当時の私はよくわからないな、つまらない講師だな、と感じていたことでしょう。
セミナー本編よりもPDCA
私自身が行ったセミナーでも同様の体験があります。
創業などについてのセミナーの最後に、一言
「そしてPDCAを回していくことが大切ですね。あっ一応説明するとPDCAというのは…」
とPDCAをごく簡単に説明しました。創業セミナーの本編に比べると、PDCAなんて誰でも知っているし、わざわざ説明するまでもないしつまらない、くらいに思っていました。
ところがそのセミナー終了後、
「すみません、最後におっしゃっていたPDCAについて詳しく聞きたいのですが…」
とPDCAそのものに興味を持たれた方がいました。
私にとっては「誰でも知っている、つまらない」と思う内容も、人によっては「初めて聞く、有益な情報」だったわけです。
最先端よりも普通が喜ばれることもある
あなたもつい「他社を上回らなければ!」「自社の方がいい、とアピールしなければ!」と思っていないでしょうか。
私たちは買い物をするときに「これが一番性能がいい!」「これが一番かっこいい!」と絶対に一番だから選んでいる、とは限りません。
あなたにとっての「当たり前」も、お客様にとっては「知らなかった!」「教えてくれてありがとう!」と言われるような、”ぴったりくる”情報かもしれません。
「ウチの方がスゴい競争」をすると、お客様とかけ離れてしまう恐れすらあります。
マニアック競争になりかけたときは気をつけましょう。
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