あなたにとってプロフェッショナルとは
「プロフェッショナルとは?」
質問されたり、逆に研修などで私が問いかけることもあります。
プロフェッショナルとはどういうことでしょうか。
もちろん、人それぞれ、いろいろな考え方があると思います。
「成果を出すこと」「それでお金がもらえること」…など、いろいろな定義があるかと思います。
では、次の問いで考えてみてください。
Q.週休2日で働いている会社員が、週末に3時間だけカフェを経営しています。
この人はカフェに関して「プロ」でしょうか?
あなたはどう思いますか?
プロである、と断言できる人はあまりいないのではないでしょうか。
あるいは、そのカフェが自分で経営しているお店ならプロかもしれないけど、雇われ店長だったらプロじゃない、など。
週に1日3時間だけなら、それは「サブ」や「副業」であって、その道のプロではないと印象を持つ人が多いように思います。
中国人と日本人、プロ観の違い
年末年始に、友人の中国人と「日本人と中国人の考え方の違い」について話して、それぞれの価値観について語りあいました。
その中で、仕事観やプロフェッショナルなどについて話題がおよびました。
ざっくり要約すると、さきほどのカフェの人は、中国人にとっては「プロフェッショナルだ」と言うのです。
(これはもちろんその人ひとりの意見であって、中国人全体の意見ではありません。)
なぜかというと、その人(中国人)にとって、プロであるかどうかを決めるのはその人の「態度」や「姿勢」だからだと言うのです。
週に3時間しか働いていない、とか、本業は会社員だ、とか、そんな要素は関係なく、「プロとしてカフェで働こうとする」その意志がプロフェッショナルには大事だという考え方です。
中国は副業(複業)が当たり前です。会社員がブランド品の転売もしているとか、飲食店のオーナーだとか、そんなのは当然のことです。
それに対して「あいつはいろんなことに手を出している、信頼できないヤツだ」なんて非難されることはありません。
一方、日本はどうでしょう。
「一意専心」という言葉もある通り、日本ではひとつのことを極めるのがよいとされ、あちこちに手を出すのは「プロではない」「本業に悪影響」などと言われます。
スポーツ選手や俳優が別の分野、ファッションや飲食店経営などに手を出すと「どうせ素人だから失敗する」「そんなことより本業を一生懸命やれ」とバッシングされますよね。
ひとつのことに集中して極めるのがプロであるという前提が日本にあるような気がします。
「ひとつを極める=プロ」ではない
一方、先ほどの中国人いわく、態度や姿勢こそがプロにとって重要であり、経験や知識、それに費やす時間の長さなどは二の次だ、という考え方もあります。
私は「日本は精神論が好き、それに対して諸外国はリアリズム」という印象を持っていたのですが、これに関しては逆のようです。(もちろん「ひとつのことに集中しろ」も精神論ではあるのですが)
その中国人の考え方だと、逆にいえば「知識や経験がなかろうと、やるからにはプロであれ」とも言えます。これは副業だから、本業ではないから、まだ経験が浅いから…はプロとして言い訳にはならない、とも言えます。
もちろんどちらが正解ということはないのですが、プロとは「それに集中しているか」「多くの時間を費やした(費やしている)か」ではなく、
「プロであろうとする態度や姿勢を持っているか」
こそが重要である、という考え方もプロ論として忘れてはならないと感じました。
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