本をたくさん読んで学ぶことは危険です

あなたはどんな本を読みたい?

私は何冊かのビジネス書を出した著者です。

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本について編集の人と話したり、自分で観察したりする中で、「確かにそうだ」と思ったことがあります。

人は、何を求めて本、特にビジネス書などを読むのでしょうか?

新しい知識を手に入れたい。学びたい。
自分とは違う人の意見・考えを取り入れたい。

もちろんそれもあるでしょう。

しかし一番の目的はむしろ「自分の意見を後押ししてほしい」ではないでしょうか。

あなたが書店でビジネス書を手に取ったとします。

それは「ほう、読んでみたい」「面白そうだ」「これなら今の悩みにぴったりそうだ」「こういうことを勉強しておいたほうが今後良さそうだ」などの内容だから手に取ったはずです。

そこであえて「この本は自分とは反対の意見・考え・主張だから」手に取るという行動をする人はいるでしょうか。
おそらくほとんどいないはずです。

たとえば「論理的思考」の本を手に取る人は、論理的思考が大切だから学ばないと、と考える人です。

論理的思考なんて不要だ!という人は、そもそも手に取らないでしょう。

読書=学びになっている?

だから本を読む人は、知識のためと言いつつ、「自分の考えの後押し」として読んでいるのです。

自分が選んだ本は、自分の興味・知識・関心の延長線上であると言ってもよいでしょう。

そのため、もちろん娯楽としての読書は別として、「私は本をたくさん読んで勉強している」という人ほど危険です。

なぜなら、それは「自分の考えの補強」にしかなっていないかもしれないからです。

自分の考えを深めることには役立つでしょうが、それだけだと「広がり」は期待できません。

そこで私がやっていることがあります。

それは「書店で興味がない、あるいは読みたくない本をさっと立ち読みする」

「そんなのウソでしょ」「極論でしょ」「怪しい」「うさんくさい」「著者がいけ好かない」…

そういう、絶対に買わないであろう書籍をあえてぱらぱらっとめくります。

すると「なぜ私が避けたのか」を理解し、より明確に言語化できます。

「なんとなくイヤ」ではなく「○○だから私の考えや行動とは合わない、学びにならない」と。

それはそれで自分の信念や行動を確かめるきっかけになります。

好きな本だけでは出会えない

もちろんときには「意外といいこと書いてある」「他はいまいちだけどこの部分は勉強になる」となる場合もあります。これはとてもラッキーです。自分の好き嫌いだったら出会えない内容と出会えたわけですから。

それで気に入って買うこともあります。
(他に、元々の自分の買う本もあるので、トータルして多少の立ち読みはご容赦ください)

本を読む、というと無条件に褒められがちですが、「うなずきたいから」読んでいないでしょうか。

たまにはあえて自分の好みと正反対の本を手にとってはいかがでしょうか。

【追伸】

著者目線で考えると、売れる本に大切なのは「新たな視点や考え方」、具体的には「今のままのあなたはダメだ!」といった内容を盛り込むよりも「あなたはそれでいいんだよ」と肯定してあげることで、読者の気持ちを後押しするほうが売れやすい…とも言えます。もちろんあくまで傾向や確率の話であり、絶対ではありませんが。

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