ツァイガルニク効果とは
「仕事などを、あえて中途半端な状態で中断することで記憶に残りやすくし、中断明けに再開しやすくする」
こんな仕事のテクニックを聞いたことはないでしょうか。
私も実際にわざときりの悪いところで仕事を止めて、休憩に入ることがあります。
これは「ツァイガルニク効果」と呼ばれます。
「壊れた」おもちゃが届くサブスク
このツァイガルニク効果を利用したとも言える、イギリスのこんなサービスがあります。
■モノを直すって、楽しい!「サブスク修理キット」が子どもたちを熱くする
https://tabi-labo.com/310849/wtg-repair-subscription-service
【記事の要約】
- イギリスの企業「team.repair」は、子ども向けの修理キットを提供するサブスクリプションサービスを開始した。
- このサービスでは、月額料金を支払うと、自宅に壊れた電子機器(例:レトロなゲーム機やラジコンカー)が届く。
- 子どもたちは、付属の工具や動画、専用アプリを使って、これらの機器を自分で修理し、遊ぶことができる。
- この取り組みは、子どもたちに電子機器の仕組みを理解させ、問題解決能力や創造性を育むことを目的としている。
- また、使用済みのキットを回収し、再利用する循環型モデルを採用しており、環境への配慮もされている。
- これまでに6,000人以上の子どもたちがこのプログラムを利用している。
このサービスのポイントは、「完成品を送る」でもなく、「ゼロから組み立てる」でもない、「壊れた状態」であることです。
人は中途半端な状態だとムズムズするので、どうしても「正常な」状態にしたくなります。
それが修理へと気持ちを駆り立て、問題解決能力や創造性を育む一助となっています。
ビジネスにも応用しよう
ツァイガルニク効果はビジネスにおいても以下のように有効活用されています。
・広告の「続きはWEBで」。
・謎や問題を提示し、「答えが知りたければクリック/裏面へ」。
・スマホゲーム…ステージをクリアすると直後にストーリーが少し進み、続きが気になる。
他にも、世の中の商品やサービスは、「ゼロか100か」「未完成品か完成品か」ではなく、あえて中途半端で提供しているからこそ魅力的なものがたくさんあります。たとえば…
●焼肉・しゃぶしゃぶ:材料を用意してくれて、調理は客が行う。
●キャンプ場:テントを張りやすい土地、水回り、炊事場などはキャンプ場が準備してくれる。
●陶芸の体験:素材や道具を用意してくれて、成形や色付けなどは体験者が行う。
●IKEなどのDIY家具:必要なパーツが用意され、顧客が自分で組み立てる。
これらは「自分で達成する」という満足感が得られ、でもゼロから行う大変さは省略されているので、ユーザーは魅力を感じます。
あなたの提供する商品やサービスも、あえて「中途半端」にしておくことでユーザーを引き付けることができるかもしれません。
「ツァイガルニク効果」をうまく活用しましょう。
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