問題解決は「解く前」が9割

問題解決は「解く前」が9割

「問題解決」は業務において、定番かつ極めて重要なスキルです。
「仕事とは問題解決である」と言っても過言ではありません。

私自身も、問題解決をテーマに研修やコンサルティングを提供しています。
その中で、多くの方が実務の問題解決において「ある落とし穴」にハマっています。

その落とし穴とは、問題の「解き方」に関することではなく、

誰も困っていない、問題ではないことを問題とみなして解決しようとしてしまうこと

です。

それは本当に解決すべき「問題」か

たとえば「オフィスの壁の色をグレーにするか、ベージュにするか」という議論があるとします。このような議題は「問題」ではなく、単なる「好み」に過ぎません。どちらを選んでも業務に大きな影響はなく、社員が困るわけでもありません。

しかし、このような「どちらでもよいこと」「解決する必要がないこと」「解決してもそれに見合うリターンが得られないこと」に対して時間と労力を費やし、「問題だ、解決しないと」と悩んでいるケースにしばしば遭遇します。

問題とは「困ること」

問題とは、シンプルに定義すれば以下の通りです。

「誰かが困っている、もしくは将来に困ること」

これに該当しない「問題のようなこと」に議論を重ねても、ビジネスの成果には結びつきません。にもかかわらず、

「なんとなく重要そうに思えること」
「人によって意見が割れること」
「はっきり定まっていないこと」

を「問題」と捉え、解決しようとしていないでしょうか。
誰も困っていないのなら、そもそも解決する必要がないのです。

問題解決が自己満足になっていないか

問題解決というと、フレームワークを駆使し、論理的思考を用いて…といったことが重要視されがちです。

しかし、問題解決においてもっとも大切なのは「解く必要がないことを解こうとしていないか」です。

「自分は問題解決をがんばっている!」と、解決の行為そのものが目的化してしまうと、無駄な時間や労力を費やすだけになってしまいます。

実際、問題がないのに問題を作り出し、それを解決しようとすることで仕事をしている気になる、というケースがしばしばあります。しかし、これは生産的な仕事とはいえません。

問題はいきなり解決しようとしない

本当に解決すべき問題かどうかを見極めるためには、以下の問いを常に意識しましょう。

●誰が、どのように、どれくらい困っているか?
●その問題を放置すると、具体的にどのようなマイナスがあるか?
●問題解決にかかるコストと、その解決によるリターンを比較し、それでも解決したほうがよいか?

これらの問いに明確に答えられない場合、「問題」とは言えず、解決する必要はないかもしれません。

まとめ

  • 問題解決のスキルを高めることは重要。
  • その一方、「問題ではないものを問題として扱っていないか」を考えることも同じくらい重要。
  • あなたが「問題を解決しなければ」と感じたときは、一度立ち止まり、「これは本当に解決すべき問題なのか?」と問い直す。
  • 無駄な問題解決を回避することで、より効率的な業務が可能になる。

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