
また今日も「まとまらない会議」「結論が見えない話し合い」で終わってしまった…。
そんなことはないでしょうか。
アイデアをたくさん出そう!思ったことをバンバン言ってくれ!…もよいのですが、本当にただの思い付きばかりですと、時間もエネルギーもムダになってしまいます。
そこで有効なのが、会議や打ち合わせをスムーズに進行させ、成果を生み出すための「ORID(オリッド/オリッド法)」というフレームワークです。
ORIDとは何か
ORIDは以下の頭文字から取っています。
Objective(客観的事実):「何が起きた?」と事実ベースで確認する
Reflective(感情・反応):「それをどう感じた?」と感情に向き合う
Interpretive(解釈・意味づけ):「その意味は?」と考える
Decisional(結論・意思決定):「何をする?」と行動につなげる
Objective(事実)
→ Reflective(感情)
→ Interpretive(意味)
→ Decisional(意思決定)
という4段階の質問で誘導し、議論を段階的に整理していくファシリテーション法が「ORID」です。
ORID活用イメージ…会議にて
「A社が、新規サービス立ち上げ後の振り返りミーティングを行う」
を例に、ORIDで進行してみましょう。
課題:会議が個人の感想の羅列になっている。次に何をすべきか等、具体的に落とし込めない。
ORID:
Objective(事実)
「サービスについて、ユーザー数やアクセス数などを数値で教えてください」
「サービスについて、ニュース報道やSNSの反応がありましたか」
Reflective(感情)
「リリース直後、どう感じましたか、何を考えましたか」
「ユーザー反応を見て、嬉しかった点・不安だった点は」
Interpretive(意味づけ)
「なぜ想定通り(想定と異なった)成果になったのでしょうか」
「改善が必要な点はどこでしょうか」
「ユーザーの反応から次に生かすべき点はなんでしょうか」
Decisional(決断・行動)
「次回リリースまでに取り組む具体策は」
「来月までに誰が、何をするのか、どう動くのかを決めましょう」
このように進めることで、ただ漠然と思ったことを話し合う会議から、数値→感情→意味→行動…と流れに沿って進行する会議に変わります。
なぜORIDが有効か
議論の行き詰まりを防ぐ
ORIDにより、議論を思い付きではなく、段階的に深めることができます
まず「事実」を揃えてから感情を掘り起こし、意味づけし、最後に行動へ…とつながるので、議論が行き詰まりにくくなります。感情を大切にして、意思決定の質を高める
会議などで「事実」と「感情」は混同、または分断されがちです。感情はビジネスでは軽視されがちですが、判断には感情が大きく影響を及ぼします。Reflectiveのステップで感情を認識することで、決定が形だけの「なんとなく」で終わらず、個々の感情もふまえたより実践的なものになります。誰でも使え、わかりやすい
基本の流れを押さえれば、ファシリテーションが円滑に進行します。
会議だけではなく、講演やワークショップ、報告会など、様々な場面で応用できます。
ORIDを会議でうまく使うコツ
事前準備:各段階に対応する質問をあらかじめ準備しておく。なるべく具体的にする。
時間配分:Objective(事実)だけで時間を使いすぎないようにする。Decisional(決断・行動)にもしっかり時間を確保する。
全員参加:「一言ずつ話す」などルールを設け、多くの参加者から様々な意見を引き出す。
こんな場面でORIDは使えます
1on1・部下との振り返り
プロジェクトの中間レビュー
チームビルディング
アイデア出し会議
ORID まとめ
事実→感情→意味→意思決定の順に会議などを行うことでで、「思い付き」から「明快で分かりやすい発言・行動」「具体的な行動につながる意思決定」の場に変えることができます。
ぜひ次の会議や話し合いで使ってみてください。



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