
「ブランディング」、この言葉をあなたも聞いたことがあるのではないでしょうか。
「ブランディング」をしっかりちゃんとやれば、我が社の商品も「ブランド」になって、高く売れるのでは…ゆくゆくはシャネルやグッチのように…
こんな風に思うかもしれません。
しかし、私はブランディングは「してはならない」と断言できます。
もっと言えば、ブランディングなんてものは「存在しない」のです。
だからあなたもブランディングなるものをしようとしてはいけません。
(そもそも、「存在しない」のですからやりようがないのですが。)
なぜ、私はブランディングは「存在しない」「してはならない」と主張するのでしょうか。
先ほど例に出したシャネルやグッチ、あるいはその他の「ブランド」と呼ばれるものを思い浮かべてください。エルメス、BMW。あるいは高級品に限らず、スターバックスやコカ・コーラなどでもよいでしょう。
では、あなたが思い浮かべたブランドは、「ブランディング」したからブランドになったのでしょうか。
そうではないはずです。「高品質な製品をつくる」「お客様に喜んでもらう」、そういったことを積み重ねたから、結果として「ブランド」になったのです。
私はいわゆる「高級ブランド」で働いていました。
働いていたからこそわかるのですが、高級ブランドだからこそ、基本のマーケティングを退屈なほど「きっちり」やっています。
「高級ブランドだから、何もしなくても勝手に売れていいよね」
こんな風に言われることがあります。
むしろ逆です。
お客様に喜ばれるにはどうすればよいか、といったやるべき基本のことをきっちりやったからこそ、結果的に高級ブランドになったのです。
ブランディングをしたからブランドになったのではありません。
それにブランディングは極めて定義があいまいな言葉です。
ブランディングとは、ロゴやパッケージを変えること?販売員の制服を高級にすること?店舗をきれいに上質にすること?
定義できないものは実行できません。
それよりも、目の前のお客様ひとりに喜んでいただくこと。
これを10人、100人、1,000人…と積み重ねていくことで、「あそこっていいよね」「高くても買いたくなっちゃうね」と評判になり、結果として「ブランド」になるのです。
高く売ろうとして、ブランディングをしてはいけません。



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