
「うちには強みなんてないよ」、そうおっしゃる企業は少なくありません。
しかし、本当にそうでしょうか。
マーケティングで大切なのは、「弱みを強みに変える」ことです。
やり方次第で、弱みは強みに変えられます。
ハイボールは「弱み」があったから生まれた
2008年ごろ、サントリーはウィスキーの消費拡大のために「ハイボール」を打ち出しました。
今でこそハイボールは定番ですが、当時はウィスキーといえばストレートやロック、水割りが主流でした。
そこで、ビール感覚で居酒屋などで気楽に飲んでもらうために「ビールが苦手な人でも飲みやすい」「一杯目の乾杯にも合う」という位置づけでハイボールを売り出しました。
(まさに今のあなたのハイボールに抱くイメージです)
ハイボールのヒットの要因というと、
「テレビCMがよかったから」
「営業部隊が全国の居酒屋に営業をかけて、メニューやジョッキを用意するなどして置いてもらったから」
などと言われがちです。
もちろんそれらも重要な要素ではありますが、ハイボールのヒットの裏側には、サントリーが「弱み」を「強み」に変えたことがあげられます。
もしも同じようなハイボールのプロモーションを、競合のアサヒやキリンがやっていたらどうでしょう。
ビールの販売が主力の企業にとって、「ハイボールが売れる=ビールの売上を奪う」ことになりかねません。
いわゆる「カニバリ(共食い)」を恐れて、大規模なプロモーションは社内から反対が出て、難しかったと予想されます。
サントリーは当時、ビールではシェア下位でした。
だからこそ、「ビールの売上を奪っても構わない」「むしろ新しい市場を創る」挑戦ができたのです。
このように発想し、弱みを強みに変えることができました。
弱みは強みに変換する
「弱み」と言われるものも、見方を変えれば「強み」に変わります。
小規模 → 少数精鋭で小回りが利く、柔軟で意思決定が早い
生産量が少ない → 少量多品種に対応できる
古い →歴史や伝統、培ってきた信頼がある
業界シェアが低い → 挑戦できる余地がある、今まさに挑戦している
地方にある → 顧客との距離が近い、地域密着型の対応
「弱みが強みになる場所」で戦う
経営において重要なのは「強い企業や商品とは、同じ土俵で戦わない」ことです。
大手が手を出しづらい領域や、採算が合わないと思う領域こそ、中小企業にとってはチャンスです。
あなたが弱みだと思っていることも実は強みに変えられます。
その「弱みが強みになるところ」で勝負することが経営では重要です。



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