【新規事業×高価格×地方030】「日本初」や「独自の」は要注意?顧客を遠ざけてしまう理由とは

高価格で売りたいと思うと、
「差別化」や「独自性」が重要と思うかもしれません。
もちろん一般的にはそうなのですが、時には「落とし穴」が潜んでいます。
ポストのチラシから気づいた「独自性」の落とし穴
ある日、自宅のポストに整体院のチラシが入っていました。
チラシには「○年、○人の施術から生み出された完全独自のプログラム」と書かれていました。
しかし、それを見た瞬間に、私はひっかかりを覚えました。
人間の体を扱う以上、そこには医学的なセオリーや共通のパターンがあるはずです。
それを差し置いて、特定の個人が作ったオリジナルの手法に体を預けていいものだろうか。
本当に優れた方法であれば、すでに広く普及しているのでは。
…と思いました。
ここで私は、自分自身を振り返り、はっとしました。
私自身が、自社のサービスを紹介するときに「独自のマーケティング手法」「独自のメソッド」という表現を頻繁に使っていたからです。
売り手としては、他社との違いや自社の強み、効果の高さをアピールするためにこのような表現をよく使います。
しかし、受け手の心理は必ずしもそうではありません。
いくら提供側が「独自で素晴らしい」と主張しても、買い手側は「実績があって安心できる、無難なものが欲しい」と考えているケースが多いからです。
差別化のメッセージは顧客を遠ざけることも
ビジネスにおいて、他社との差別化は重要です。
そのため、多くの企業がキャッチコピーや販促物で「自社オリジナル」や「画期的な新技術」といった言葉を並べます。
しかし、顧客がそれを本当に求めているかは別問題です。
たとえば、新しい業務管理システムを導入する際、企業が求めるのは「他社での導入実績が豊富で、トラブルが起きない標準的な仕組み」です。
独自性を前面に出しすぎると、顧客にとってはかえって購入のハードルが上がり、敬遠されてしまいます。
普段から顧客目線を意識していても、発信する側になると、自分のアピールしたい要素を押し付けがちになります。
特に専門知識や独自のノウハウに自信がある人ほど、その傾向は強くなります。
しかし、情報を受け取る側が求めているのは、必ずしも売り手のこだわりではありません。
自分たちの課題が安全に、確実に解決されるかどうかという利益を受け手は求めているものです。
伝える前に一歩引いて検証する
自社の宣伝文句や提案書を作成するとき、つい「独自の」という言葉を使いたくなります。
しかし、そこで一度立ち止まる必要があります。
この表現を使うことで、かえってお客様に不確実さや不安を感じさせないか、検証したほうがよいでしょう。
お客様が本当に求めているのは、尖った新しさではなく、失敗を避けられる確実性である場合が多いからです。
もちろん、すべての独自性がマイナスになるわけではありません。
大切なのは、独創性を伝えるにしても、その根底に信頼できるセオリーがあることをきちんと示すことです。
「ベースは標準的で確実、その上で一部の効果を独自に高めている」
という見せ方であれば、顧客も受け入れやすくなります。
独りよがりのアピールにならないために、言葉を選ぶ際はいったん冷静かつ客観的に検証することが欠かせません。
このような意識を持つことが、結果として顧客に選ばれることにつながります。


