文章のわかりやすさが3割増しになる「たった一語」とは

○○がない文章はわかりづらい
私はコンサルタントや企業研修の講師という職業柄、さまざまな方が書いた文章を読む機会があります。
その中でたびたび、「これはどういうことだろう?」と、文章の意味がすんなり頭に入ってこない、あるいは読みづらくて止まってしまう、なんてことがあります。
なぜ、文章を読みづらいと感じてしまうのでしょうか。
その原因を探ったところ、ある共通点を発見しました。
それは「主語がない、わからない」です。
あまりにも当たり前すぎて、拍子抜けしたかもしれません。
しかし、意外とみなさん、主語の重要性を意識していません。
主語の重要性は「書く」だけでなく「話す」ときも重要です。
「主語」がないために、わかりづらい文章や話になってしまっているのです。
実際の文章でよく見かける主語に不備がある3つのパターンをご紹介します。
1.主語がない
書いている本人は頭の中に登場人物や文脈が見えているのでしょう。
だから、つい主語を省いてしまいます。
しかし、背景を知らない読み手は、いちいち「誰がこれをしたの?」と推理しながら読まなければなりません。
そうなると、円滑に読み進められません。
【わかりにくい例】
A店を訪れたとき、すごくいらいらしていました。
(いらいらしていたのは誰?私?それともA店の誰か?)
2.一文で主語が次々と変わる
一つの文章の中に、二つ以上の主語が連続で出てくると、読み手は脳内の処理が追いつかなくなります。
結果、読みづらくなります。
【わかりにくい例】
私はA社に行くようBさんに指示したところ、A社はまだ前の作業中で、Bさんも交通トラブルに見舞われたため、Cさんが応援に行くことになりました。
(主語が私、A社、Bさん、Cさん、ところころ変わるので読みづらい)
3.主語の候補が複数あり、考えてしまう
その行動をしたのが誰なのかわかりづらいケースです。
文章の意図とは違う人が行動したとみなされて、勘違いが生じることもあります。
【わかりにくい例】
私がAさんと話していると、急にせきこみ始めました。
(せきをしたのは私?Aさん?)
「誰が」を省略せずに書く・話す、それだけです
私が「文章が読みづらい…」「話がわかりづらい…」と感じるとき、たいていは主語が省略されるなど、「誰が」がわからなくて混乱しています。
文章がうまいと言われる人は、決して難しい言葉を使っているわけではありません。
読み手が困らないように、要所要所で「これは誰の行動か」とわかりやすく書いてくれているのです。
ほんの少し「主語」を意識するだけで、あなたの文章は見違えるほどわかりやすくなります。
「よし、これで文章は完成」と思ったら、一呼吸置いて、主語がちゃんと書かれているかどうかを確かめてみてください。


