日経紹介の「ダブルジョパディの法則」、基本をわかりやすく解説します

イメージと真逆!?ダブルジョパディの法則とは
「ブランドを育てるには、コアなファンを大事にしなければならない」
マーケティングに触れたことがある方なら、一度は聞いたことがあるフレーズであり、確かにそうだな、とうなずくのではないでしょうか。
「熱狂的なファンを増やし、リピート率を高める。
それが小さなブランドが大きく成長するために大切である」
一見、筋が通っているように思えますし、響きが良いメッセージです。
しかし、膨大なデータを集めて検証してみると、現実はまったく逆である…ということが、日経クロストレンドの記事で紹介されています。
今さら聞けない「ダブルジョパディの法則」の基本
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01431/00003/
この記事では、マーケティング界の常識を覆す「ダブルジョパディ(二重の危機)の法則」という概念を紹介しています。
こちらの内容を引用・紹介しながら、日常の身近な商品に置き換え、わかりやすく整理します。
小さなブランドが背負う「二重のハンデ」
ダブルジョパディ(Double Jeopardy)とは、法学用語で「二重の危険」を意味する言葉です。
マーケティングにおいては、
シェアの低い小さなブランドは、
買っている人の数も少なく、
さらにその人たちの買う頻度も少し低い
という現象を指します。
つまり、
小さなブランドは「買う人が少ない」という問題と、
「リピート率も低い」という二重のハンデを同時に抱えている
…というのがこの「ダブルジョパディ」の考え方です。
わかりやすく、身近な商品である「缶コーヒー」でたとえてみます。
■誰もが知っている定番の缶コーヒー(大きなブランド)
・街のあらゆる自販機やコンビニに置いてあり、年間1,000万人が買っている。
・その1,000万人のうち、かなりの人が「週に2〜3回」買っている。
■地方メーカーの特製こだわりクラフト缶コーヒー(小さなブランド)
・知る人ぞ知る存在。年間10万人ほどしか買われていない。
・ファンは熱心に見えても、実際の購買データを取ると「月に1回買うかどうか」にとどまる。
「小さいブランドは、熱狂的なファンが毎日のように買い、支えている」
というイメージがあります。
しかし、そんな商品は、実際の市場データではほとんど存在しない、というのがこのダブルジョパディが示しています。
どれだけファンを大事にしようとしても、ブランド自体が小さいうちは、1人あたりの購入頻度だけを大きく伸ばすことは難しいのが現実だ、と主張しているのです。
売上増の一番の原動力は「買ってくれる人の数」
ダブルジョパディの法則が示す最も重要なメッセージは、
「顧客数(浸透率)が増えない限り、リピート率も上がらない」
ということです。
売上を構成する要素には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 買った人の数(どれだけの人が選んだか)
- 買った回数(何回リピートしたか)
- 1回あたりの購入金額(いくら使ったか)
これらは各自バラバラの要素ではなく、すべて「買った人数」が起点になっています。
たとえば、新しいお菓子をヒットさせたい状況を考えます。
「一度買ってくれた人(だけ)に何度もリピートしてもらう施策」
を打つよりも、まずは
「一度も食べたことがない人に、一回だけでも手にとってもらう機会」
を増やすほうが、結果としてリピートする人の総数も増えていきます。
ビール等が大量に広告を投下し、様々なキャンペーンを行って、まずはとにかく1回飲んでもらう!としているのも、このような背景があるのでしょう。
私たちは「ロイヤルティ(愛着)が高まったから顧客が増える」と考えがちです。
しかしそうではなく、順番が逆で、「買う人が増えていくプロセスの中で、自然と何度も買うファンが生まれていく」と考える、としています。
※もちろんすべての商品がそうではなく、例外のケースもあるのですが、ここでは省略します
成長のフェーズによって打ち手を変える
では、私たちはこの法則をどう業務に活かせばいいのでしょうか。
ポイントは、ブランドの成長ステージに合わせて力を入れるポイントを変えることです。
ブランドがまだ小さい時期
「ファンづくり」や「リピート率向上」にコストをかけすぎないようにします。
とにかく「存在を知ってもらうこと」「手にとってもらう機会(取扱店舗や認知)を増やすこと」に集中します。
すでに業界トップクラスの大きなブランド
全体への認知が行き渡り、これ以上「新しい顧客」を増やすのが難しくなってきた段階です。
ここで初めて「既存顧客の単価アップ」や「ファン施策」が効いてきます。
順番を間違えて、まだ誰も知らない段階から
・ファン限定イベント
・ロイヤルティプログラム
といったことに力を注ぐと、手間の割に売上が伸び悩みます。
当社サポート領域
ダブルジョパディの法則を踏まえた上で、実際のマーケティングや商品企画において、当社は以下のようなサービスを提供できます。
自社データの診断
手持ちの購買データや調査データをもとに、自社商品が「市場の法則通りの位置にいるか」「あるいは例外的なポテンシャルを秘めているか」を分析します。
認知・新規獲得を中心とした施策立案
無理なファン化施策に頼らず、商品が買われる機会(カテゴリーエントリーポイント)を整理し、まだ届いていない層へアプローチするための具体策をご提案します。
成長フェーズに応じたマーケティング戦略の整理
自社ブランドが今「顧客数を増やすフェーズ」なのか「単価や頻度を重視するフェーズ」なのかを見極め、限られた予算と人手を最も効果的な打ち手に配分するよう、その計画づくりをお手伝いします。
「頑張ってファンを作ろうとしているのに、なかなか事業が大きくならない」
とお悩みでしたら、当社にご相談ください。


