【新規事業×高価格×地方035】「絶対買う」と言われたのに売れないワケ

「絶対買う!」の言葉を信じると、痛い目にあう

友だちに
「手作りパンのお店を出そうと思ってるんだ」
と話したとします。
するとみんな、目を輝かせて
「いいね!絶対買いに行く!」
と言ってくれました。
ところが開店初日、来てくれたのは、そのうち1人だけだった…

これと似たような経験はないでしょうか。
個人のお店のみならず、企業の新商品開発でも、同じようなことは起きがちです。

なぜお客様の「欲しい!」を信じすぎてはいけないのでしょうか。
具体的な事例とその対策をご紹介します。

1.「欲しい」と「買う」は別もの

ある企業が、発売前の新商品のコンセプトを一般の方に見せ、それについての感想などをインタビューしました。
「こんな商品が欲しかった!この値段なら、ぜひ買いたいです!」
とその方は答えました。手ごたえバッチリです。
そこで企業側は、こう切り出しました。

「では、発売したら必ず買う、というこの契約書にサインしてください」

すると、その方は「あ、いや…」と口ごもり、サインしてくれませんでした。
あんなに絶賛して、ぜひ買いたいと言っていたのに、です。

「欲しい」と口で言うのは簡単です。
お世辞もあるでしょう。喜んでほしい、という。

しかし、リアルに自分の金銭や約束が絡むと、慎重になります。
言葉での評価と実際の行動は、別です。

何万人もフォロワーがいるインフルエンサーが有料イベントを開いたら、数人しか来てくれなかった、なんて事例も聞きます。
ただ好きでいることと、お金を出せるかは別モノなのです。

2.発売前の評判は当てにならない

発売前や普及前はメディアやSNSで話題沸騰。
誰もが欲しがっているように見えました。
しかし、ふたを開けてみたら全然売れなかった…

というケースも珍しくありません。
(少し前ですが、セグウェイなんかもそうだと思います)

映画やゲームでも、鳴り物入りの大作として公開されたのに、思ったほど数字は伸びなかった、なんてことがよくあります。

そうなってしまう原因の一つは、話題になり始めたころの
「今は手に入らない・入りにくい」
という飢餓感です。
手に入らないものほど、人は魅力的に感じてしまいます。

ところが、発売されていつでも買える状態になると、急に冷静になります。
「これ、本当に必要かな?」と考えてしまうのです。

発売前の盛り上がりが、絶対に実際の売れ行きとつながるとは限りません。
やはり「欲しいと思っても、実際に買うとは限らない」のです。

3.お客様の期待を高めすぎないよう注意

スマートフォンが登場した初期には、
「そんなものは必要ない、ケータイのiモードのほうが便利」
という冷ややかな声がむしろ多数派でした。

ところが、実際に使ってみると、その便利さは想像をはるかに超えていたため、爆発的なヒットにつながりました。

スマホと反対に、事前に「欲しい」と期待されている商品は、ある意味その価値がお客様の予測できる範囲にとどまっている、とも言えます。
「わかる」から「欲しい」と思えるのです。

そのような予測の範囲内だと、「満足」にはなっても、期待を超えた「感動」や「驚き」は生まれにくくなります。

だからこそ、前評判が「良すぎる」商品も要注意です。
お客様の期待を高めすぎているからです。

4.「欲しい」の声は割り引いて受け止める

では、お客様やフォロワーの声は、聞かなくてもよいのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
貴重な情報ですし、応援してもらえるのはありがたいことです。

ただし、「意見」と「行動」は別ものです。
だから、意見をそのまま鵜呑みにせず、「参考情報」として一歩引いて受け止めるようにします。

具体的には、次の3つを心がけてみてください。

・「100人が欲しいと言った」を「100人が確実に買う」と解釈しない
「欲しい」と言ってくれた人のうち、実際に買ってくれるのは、ごく一部です。
数字を見るときは、「実際はこの何分の一かな」と、割り引いて考えます。

・前評判やフォロワー数で、強気な計画を立てない
「これだけ盛り上がっているから大丈夫」と、仕入れや予算、人員を一気に増やすと危険です。
話題だからといって、売上が保証されるわけではないからです。

・盛り上がっているときほど冷静に
周りが熱狂していると、つい自分まで「絶対いける!」と思い込んでしまいます。
しかも、その盛り上がりがずっと続くかのように感じてしまいます。
そんなときこそ「この熱は、実際の売れ行きとは別ものかもしれないし、いつかは終わる」と冷静になりましょう。

冒頭のパン屋さんなら、
「絶対買いに行く!」は、「応援してるよ!」くらいの意味で受け取っておきます。
ありがたく励みにしながらも、最初の販売数を控えめにしておくと、「こんなはずじゃ…」を防ぐことができます。

まとめ

「前評判がいい!」
「みんな欲しいと言ってくれる!」
とわかると、安心します。

しかし実際は「言うだけならタダ」程度の評価かもしれません。
前評判も、フォロワーの数や声も、売上そのものとイコールではありません。

お客様の声を大切にするが、鵜呑みにはしない。
そのような冷静さをキープしましょう。

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