前回のブログで、私は次のように書きました。
スーパー銭湯の価値は、むしろ風呂に入ること以外のことを「できなくする」ことにある、と捉えられるのではないでしょうか。
もしそうだとしたら、スーパー銭湯はよかれと思って
「無線LANを張り巡らせて、防水タブレットも貸して、入浴中でもインターネットできるようにしよう!」
と考えたら、お客様の価値の逆になってしまいます。
(こんなことはしないでしょうが…)
何を価値ととらえるか。企業が考える価値と、お客様が考える価値はズレていることが多いものです。だからこそ、私どもが提供している5人聞き取りのように、お客様の本音の意見を聞くことが有効になります。
この価値は、企業側が何を価値とみなしてお客様に伝えるか、という点でも重要です。
同じ商品・サービスであっても、その「価値」の伝わり方が違ったら、お客様は違った認識をするからです。
価値は一通りではない
たとえば「食べ放題のビュッフェ」を例に考えてみましょう。
食べ放題の価値とは何でしょうか?
・お腹いっぱい食べられること。
・好きなものばかり選んで食べられること。
もちろんそうなのですが、あまり健康的な感じはしないですよね。
それ以外にはないでしょうか。
・店員を呼んだり、料理を待ったりする必要がないこと。
・大人数で行ったときに、定額なので精算がラクなこと。
このように考えると、たとえば
「いろいろな人が集まる会ではビュッフェがラクで便利ですよ。なぜなら注文を取ったりする手間がないですし、誰が何をいくつ食べたかとか計算しなくてよいですから。」
と、宴会にぴったりですよ、という価値になります。
他にも
・普段はとるのが大変な野菜を、好きなだけたっぷり食べられること。
という価値にしたら、健康的でないどころか、むしろ正反対のヘルシーなイメージになりますね。
ビュッフェを「食べすぎて不健康」という価値にするか、「野菜が食べられてヘルシー」という価値にするかは、届ける側のあなた次第です。
自分が思っている価値が、本当にお客様の視点での価値なのか?を考えてみてはいかがでしょうか。
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