マーケティングの基本の一つに「絞り込む」ことがあります。
あなたはどちらの飲食店でお寿司を食べたいでしょうか?
■お寿司屋さん(専門店)
■お寿司もハンバーグもスパゲッティもあるファミレス
もちろんお寿司屋さんですよね。
だからこそ「絞り込む」ことは大切です…という話をします。
しかしこれに対して、
「絞り込むことは不安」
「絞り込まず、より市場を広げたほうが多く売れる可能性が高まるのでは」
という声が聞かれるのも事実です。
例えば女性用化粧品なら、それを男性にも売れば、市場は2倍になる!より多く売れる!…という考え方です。
もちろんそれもわからなくはないです。
実際、そのように顧客を「広げる」ことで市場を広げることもあります。
しかし、まずは絞り込むことです。
これを私は「絞り込むと広がる」と説明しています。
矛盾するようですが、どういうことでしょうか。
万人向けVS専門向け、欲しくなるのはどっち?
例として、あるスポーツウェア2種類A,Bがあったとします。
A)あらゆるスポーツをする方向けです。
B)フルマラソン完走を目指す方向けです。
さてあなたが「健康づくりのためのジョギングをする人」だったら、AとBのどちらに興味を持つでしょうか?
おそらくBではないでしょうか。自分はそのレベルには達していないけれど、フルマラソンにも適しているくらいにいい商品なのかな、って思いますよね。
でも待ってください。本来のこの方があてはまるのはA,Bどちらでしょうか。この人はAの「あらゆるスポーツをする人」に含まれるのであり、Bの「フルマラソン完走を目指す人」ではありませんよね。
でもBの方により興味を持つはずです。反対にAは印象に残らないでしょう。
これが「絞り込むことで、広がる」ということです。
絞り込むことによって、その絞り込んだ対象から外れた人にもその特徴が伝わり、「だったら自分にもいいかも」と思われるのです。
絞り込むことで特徴が伝わる
よくあるのが「業務用」なんてのもそうですね。業務に使う目的でなくても、業務用とあると「プロが使うくらいいいものなんだろう」「見た目よりも機能優先で、一般向けより高品質なんだろう」という印象を抱きますよね。
だからこそ、売れないときこそ絞り込むのです。
女性用化粧品が売れないと、男性に「も」売れば売れるかも…と考えてしまいがちです。
しかしそうではなく、あえて女性の中でも「子育てに追われている人」「オフィスの乾燥に悩んでいる人」などと絞り込むのです。
そうすると、それ以外の人も「そんなにいいのなら」と振り向いてくれるのです。
「絞り込むと広がる」、はマーケティングの大事なキーワードの一つです。
代表・幸本陽平 プロフィール
- 化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。
(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身
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