グンゼの面白い商品を発見しました。
【グンゼ公式サイトより】
そのまま寝れる そのまま出れる リラクシングウェア「スリーピー ワン」デビュー | ニュースリリース | 企業情報 | グンゼ株式会社
若年層を中心に、パジャマ・ルームウェア離れが進んでいます。彼ら、彼女たちはお気に入りだったアウターのお下がりを部屋着にしています。こんな部屋着があったらいいのにな。部屋着だけど眠りも快適でちょっと外に出るにもオシャレ。「スリーピー ワン」はそんなコンセプトのリラクシングウェアです。
直感的に私は「あっ、いいかも」と思いました。
出張のとき、私はTシャツと短パンをよく持っていきます。
そのまま寝られるし、隣のコンビニくらいなら行くことができるからです。
しかしこれらは、外出着としてはだらしないし、かといってパジャマでもなく、中途半端だと個人的には思っていました。
とはいえ、すごく困るというほどではないので、「まあこういうもの」と半分あきらめていました。
そのため、同製品のコンセプトはすごくしっくりときました。
同商品のマーケティングで重要なポイントは2つあります。
1.お客さまの「声なき不満」を見つけ出し、商品化していること
おそらく「出張のときの寝間着に困っている!」「寝間着と外出着がいっしょになった服が欲しい!」などと、不満や要求について大きな声をあげている人はほとんどいないことでしょう。
しかし私のように漠然と「とりあえずTシャツをパジャマにしている、パジャマをわざわざ買うほどではないから、まあいいか」という人も一定数はいるはずです。
そういった「今、困っていないけれど、実はこういう不満や困りごとがあるんじゃない?」という欲求を拾い上げることは、マーケティングにとって大切です。
※実際には、ウェブサイトにあるように、「若者はTシャツをパジャマ代わりにしているのでパジャマが売れない、どうにかできないか」から始まったのだと思います。そこで「なんとかパジャマを着てもらおう」ではなく、「ではどのような商品なら最適か」から出発している点がすばらしいと思います。
2.「組み合わせる」をうまく活用していること
私の書籍「今ある在庫がみるみる売れる12の方法」でもご紹介しているように、「組み合わせる」は新商品開発において有効なアプローチです。
これも「外で着る服」と「寝るときの服」を一緒にできないか?と考えた、と言うことができるのではないでしょうか。
ここで大事なのは、常識や当たり前を疑い、なるべく遠くのもの同士を組み合わせることです。
「いやいや、外出着とパジャマは別物に決まっているでしょ」と考えては、このようなアイデアは生まれません。
「組み合わせる」はマーケティングにおいて非常に有効な考え方です。
■■■このニュースから学べること■■■
1.顧客の「声なき不満」に注目し、「それならぴったり!」を提供する。
2.「組み合わせる」ことで顧客の問題を解決する。
顧客の声なき不満を拾い上げるには、ぜひ5人聞き取りを活用してください。
代表・幸本陽平 プロフィール
- 化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。
(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身
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