目指せ!コミュニケーションの達人~中級編①~元気がない部下にかける言葉は?

コミュニケーションって難しいですよね

これから数回に分けて
目指せ!コミュニケーションの達人~中級編~
をお届けします。

ビジネスシーンを題材に、社内外のコミュニケーションって難しいな…と感じる人に、コミュニケーションがうまくいくコツや考え方をお届けします。

なお、「中級編」なのは、文字通り「初級ほど単純ではないけど、上級ほど難しくはない」という意味もあるのですが、中級という中途半端っぽさに目を止めてもらう狙いもあります。(つまり、あまり意味はありません)

第1回のテーマとして、以下のケースを考えてください。

ケーススタディ:上司と部下

あなたは営業課の課長、Aさんです。

あなたの部下にB君がいます。まだ入社して1年の新人です。
B君はなんだか最近、元気がないように見えます。
表情も暗く、沈んでいます。
そんな状態だから、営業成績もよくありません。

あなたの営業課では、
「商談に行ったら、翌日は商談相手にフォローの電話をかける」
というルールがあります。

数日前、B君はC社を訪問しました。
ところが、他の社員からの報告によると、B君はC社へのフォロー電話をしていないようなのです。

あなたは、B君とどのようにコミュニケーションをとりますか。(指導・叱責・激励など)

やる気のない部下、あなたの対応は?

いかがでしょうか。
部下がいる方もいない方も、営業職の人もそうでない人も、自分だったらどうするか、考えてみてください。

元気がなさそうで仕事ぶりもイマイチな部下と、どうコミュニケーションをとるべきでしょうか。

さて、以下にあなたの考えたパターンに近いものはあるでしょうか。

①「B君、営業課のルールは守らないとダメだよ。フォローの電話をしないと、せっかくの商談が台無しになることもある。今後はしっかり徹底してね」…指導パターン

②「最近元気ないみたいだけど、何かあった?C社へのフォローも忘れてたみたいだけど、大丈夫?」…状況把握パターン

③「B君、今は少しうまくいってないかもしれないけど、誰にでもそういう時はあるよ。次のチャンスで挽回できるように頑張ろう!」…激励パターン

④「課のルールを守らないのはどういうことだ!なぜフォロー電話をしなかったのか、説明しなさい!」…叱責パターン

他には上記のミックス型「励ましつつも指導する」や、「自分の経験を交えて話す」「他者と比較して競わせる」などがあるかもしれません。

コミュニケーションなので、絶対の正解や間違いはありません。
あなた=A課長とB君、それぞれのキャラクターや関係性もあるでしょう。

やってはいけないコミュニケーション

ただし「ついやってしまいがちだが、避けたほうがよいこと」を挙げるとすれば

真っ先に、B君が元気がない理由や原因を探ろうとすること

です。

いきなり叱ったり励ましたりせず、上記②のように丁寧に話を聞いて元気がない原因を把握しよう、そしてそれに応じたアプローチをしなきゃ…と思いませんでしたか?

「部下を思いやった対応」のように思えますが、ここに落とし穴があります。

設定文を読んでください。
>B君はなんだか最近、元気がないように見えます。
>表情も暗く、沈んでいます。

「元気がない」「表情が暗い」「沈んでいる」

これらはすべて、あなたの「解釈」です。
「事実」ではありません。

本人はものすごくやる気があって、目の前のことに集中しすぎているのかもしれません。
それをあなたは「一点を見つめている、元気がなさそうだ」などと「解釈」したのかもしれません。さらに、

>他の社員からの報告によると、B君はC社へのフォロー電話をしていないようなのです。

ここも「フォロー電話をしていないよう」であり、「フォロー電話をしていない」と確認できたわけではありません。

事実と解釈を分ける

あなたがやるべきことは、以下の通りです。
●「事実」と「解釈」を切り離し
●「事実」のみに焦点を当てる

「元気がない」など、B君の様子についてはあなたの解釈であり、事実より優先すべきではありません。

あなたの「解釈」に基づいて、指導などをしてはいけません。

なぜなら、特に「気持ち」や「考え」については、反論や反証のしようがないからです。

やる気があるのに「やる気がないだろ!」と叱責されたら、反論のしようがありません。自分のやる気の有無は証明できないからです。
「いいえ、あります!」と言っても、永久に水掛け論です。

これは、相手(部下)の心を非常に傷つけます。
「やる気はあるのに、自分の気持ちを決めつけられた」
「これでは何を言っても、何をしても、わかってもらえない」
と、信頼関係が破綻します。

やるべきは、事実の確認

あなたのすべきことは「フォロー電話をしたか」を確認することです。
電話をしたかどうか、は「事実」だからです。

そしてフォロー電話をしていないことがわかりました。あなたはどうすべきでしょうか。
ここでフォロー電話の意義を説明したり、しなかったことを叱責するのではなく、フォロー電話をしなかったことの理由を聞きましょう。

このとき、聞き方を以下のようにすることがコツです。
×なぜ、フォロー電話をしなかったの?
○フォロー電話をしなかった理由や意図があれば教えてほしい。

同じ意味では?と思うかもしれませんが、ポイントは「なぜ?」です。
人は「なぜ?」と聞かれると、無意識に「責められている」と感じます。
理由を答えても、言い訳するな!と怒られるのだろう、じゃあ黙っていよう、と思うことすらあります。
ですから「なぜ?」という聞き方はなるべく避けて、「原因を教えて」という言い方にします。

そしてB君にフォロー電話をしなかった理由を聞くと、以前C社にフォロー電話をかけたときに「そんなすぐに電話をされても困る。せめて1週間くらい時間を空けてくれ」と言われ、それで1週間後に電話をするつもりだったとのことです。決して「やる気がない」わけではないことがわかりました。

※そのC社の進捗を上司に報告させる等の指導も必要ですが、本テーマでは割愛します

また、元気がないことについても、あくまでも自分の「解釈」だと断って聞いたところ、たまたまプライベートで気の重いことがあってそれを思い出していたのかもしれない、仕事のやる気には問題ありません、そんな表情をしていたなんてわからずすみませんでした、と素直に応対されました。

あなたの解釈でコミュニケーションをとってはいけない

もしもあなたが「元気がないからなんとかしなければ」「元気がない原因を突き止めなければ」などと、A君の「内面」に対応しようとしていたら、それは問題です。

「内面」は見えないし、わかりません。その「内面」は、あなたの「解釈」にすぎません。
対処すべきは、「事実」です。

部下や同僚の「気持ち」や「考え」、「悩み」をきちんと把握しなきゃ!と思う人は要注意です。

内面を理解しようとすると、さらにその先、内面をコントロールしようとします。

その人の内面はその人にしかわからないし、あなたが変えることはできません。

あなたは他人の意欲を高めようとしたり、考え方を変えようとしてはいけません。
見るべき・対処すべきは「行動」のみです。

そして、その行動が間違っていたり、不足していたりすることがわかったら、適切な行動を指導すればよいのです。

「解釈は見ない、行動を見る」がコミュニケーション成功のコツです。

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