なぜなぜ分析の功と罪

なぜなぜ分析がうまくいかない理由

フレームワークや思考術に、なぜなぜ分析があります。

「トヨタでは、『なぜ』を5回繰り返す」というアレですね。

表面的な問題解決に終わることがないよう、なぜを繰り返すことで真の原因にたどり着く…などと言われます。(トヨタ、というネームバリューもあると思いますが。)

しかし、私の周囲では、このなぜなぜ分析を取り入れてやってみたが、うまくいかない、という声も聞きます。

それはなぜか、大きく分けて理由は二つあります。

1)「なぜ?」を連発されると責められていると感じる

私が業務改善の研修で講師をしていたときのことです。

私「なぜ業務改善は大事だと思いますか?」

受講生「業務を効率的に行う必要があるからです。」

私「なるほど、たしかにそうですね。ではなぜ効率的に行う必要性があるのでしょうか。」

受講生「…業務を時間内にたくさんする必要があるから…」

私「はい。そうですね。でもそれだと効率的、を言い換えただけですよね。効率的に行う『理由』はなんですか?」

アンケートでこの受講生には「不満足」を付けられました…。

上記は私の誘導が適切でなく、力不足でなかった部分が大きいです。

しかしそれ以上に「なぜ、なぜ」と聞かれると「説教されている」「怒られている」という感情を抱く人が多いのも事実です。

あなたも親や先生に「どうしてこんなことをしたの!」と言われたこと、ありますよね。

そこで「~だからです。」と理由を述べたら「言い訳するな!」と怒られたはずです(笑)。

人は「なぜ」と聞かれると、それが本当に理由や原因を知りたいのか、怒られているのか、区別がつかなくなってしまうようです。

だからなぜなぜ分析に慣れていない人に、なぜ?なぜ?と聞くと、ケンカを売ってるのか!と思われたり、怒られていると感じて萎縮してしまったりして、原因探しができなくなってしまう可能性があります。

2)考える力がないと「なぜ」を考えても先が出てこない

身も蓋もない話ですが、その「なぜ」で適切な原因に行き当たらなければ、正しい解決策にもいたりません。

「工場で製品の不具合が多い」という問題があったとします。

なぜ不具合?
→担当のAさんが操作ミスしたからだ。
→なぜ操作ミス?
→Aさんが不注意だからだ。
→よし、じゃあAさんはもっと注意するよう厳しく指導しておこう。

…なんとなく、解決しなさそうですよね。

もしもAさんの操作ミスの本当の原因が「操作の知識がないから」であった場合、これでは正しい解決法にはなりません。

特に問題の「裏返し」を解決法とするケースがあるので注意です。

製品の不具合が多い → 不具合を出さないようにしよう。
営業成績が悪い → 営業成績を上げよう。
社員の士気が低い → 社員の士気を高めよう。

これでは解決法にはなりません。

「なぜ」を繰り返すことは大事ですが、上記のような単なるループにならないよう、最後は論理的思考力や多面的なものの見方が必要になります。


「我が社でもなぜなぜ分析をしよう!」

その心意気は素晴らしいのですが、形式だけ真似をするとかえって悪影響になりかねません。

ぜひ、弊社のようなコンサルタントや研修などを利用してから実行されることをおすすめします。

詳しくはこちら

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