中国の無人スーパーについてのニュース記事が、マーケティングの本質を突いていました。
以下、中国の記者と近隣住民との会話の引用です。
記者 で、こういう新型のスーパーはどう思う?
おばさん 人件費がかからくなったんだから商品は安いんでしょ?
記者 それは、僕にもまだ分からない。
おばさん そんなんじゃ記者なんかできないよ。あんたたちは1日中ずっと馬雲ばかり追いかけているけど、庶民の最大の関心を分かってないね。私たちの関心は、店にニセモノが置いてないか、安いかどうか、なんだよ。スーパーの中に従業員がいるかいないかなんて関係ないんだ。
記者 無人スーパーが我々の買い物のあり方を変えるとは思わないんですね?
おばさん 変えるって何をよ。買い物にお金がいらなくなるとでもいうの? アリペイ使ったって、お金を払っていることに変わりないでしょ。
この記者を「企業視点」、おばさんを「消費者視点」と置き換えてもよいでしょう。
つい企業側は、この商品(店)のここがこんなにスゴい!とアピールしたくなります。
しかし、消費者側にはそれらは「どうでもいい」ことなのです。
この女性にとっては安いか、偽物がないか、の方が重要であり、どんなテクノロジーが使われているかはどうでもよいのです。
私たちだって、テレビを買うときに「綺麗に映るテレビが欲しい」のであって、そこにどんな技術が使われているかはあまり関係ないですよね。それと同じです。
この記事でも書いてあるように、新しい店や製品が受け入れられるかどうかは、結局はそれが「買い手を幸せにしてくれるかどうか」なのです。
技術や無人化は関係ありません。「私にとって、それがどういいの?」です。
つい「我が社、我が商品の素晴らしさをアピールしよう」と考えてしまいがちですが、そんなときは
「この記事の『おばさん』の心に響くだろうか?」
と立ち止まって考えてみてはどうでしょうか。
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