次の問い、あなたは答えられますか?
朝食を食べると、成績は上がる?
ある小学校が「朝食を食べる子供」グループと「朝食を食べない子供」グループの学校の成績を比較した。
すると、「朝食を食べる子供」の方が成績がよかった。
そのためこの小学校では、成績アップのため、児童に朝食を出すようにした。
こちらの事例を読んで、あなたはどう思うでしょうか?
「そりゃ確かに朝食を食べたほうが学業にはいいだろうな、空腹だと頭が回らないし」
それとも「本当にそうなのかな?」「何か変じゃない?」「ここがおかしいよ」と【健全なツッコミ】を入れられたでしょうか。
あなたはこの学校の考えや行動に「ここがおかしいんじゃない?だって○○だから」と正しい「ツッコミ」を入れられるでしょうか。
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この問いのよくある解答例
よくある解答は以下の通り。
「朝食を食べても成績が上がらない子供がいるはずだ」
まあそりゃそうです。個別論で見ればそういう子もいるでしょう。
でも全体な傾向として成績に差があるのなら、食べないよりは朝食を食べたほうがいいですよね?
「たばこを吸う人の中には健康な人もいる」からといって、たばこは健康に悪くない!と言える理由にはなりません。それと同じです。
「成績が上がったのが、朝食のせいとは限らない」
そうかもしれませんが、でも明らかに食べるグループが食べないグループよりいいのですから、食べるほうがよい、と言えませんか?
「朝食のせいとは限らない」と言えるためには、「朝食ではなく○○のせいだ」とまで言えないと弱いですよね。
「母数、つまり調べる対象の児童数が極端に少ないかもしれない」
なるほどそれはあるかもしれないですね。仮に比較対象が3人VS.3人だと、調査対象が少なすぎて、統計的に正しいデータとは言えないかもしれません。
「小学校がそこまでするのはいかがなものか」
「これにかける予算や時間に見合う成果が得られるのか」
これらも実際には考えるべきポイントではありますが、ここでは省略します。
肝心なポイントは「朝食を食べると成績が上がる、とこの結果から言えるのか?」です。
「うーん、言えない気がする」
「じゃあどこが?なぜ?どこがどうダメなの?だって実際に朝食を食べるグループのほうが成績はいいんですよ?じゃあ食べたほうがいいのでは??」
と、これだけでは堂々巡りです。
朝食と成績は因果関係がある?
この場合、考えるべきは「朝食を食べないグループの子たちが、朝食を食べるようになって、成績が上がるのか」です。
私はその可能性は低いと考えます。(ゼロとは言いませんが)
なぜなら、この両グループの成績の差は、「朝食を食べたかどうか」ではなく「親のしつけや教育熱心さ」に影響されていると考えられるからです。
小学生の朝食は、たいてい親が準備します。
朝食をきちんと準備する親は、教育にもきちんと目をかけている可能性が高く、塾などにも行かせている確率が高い。
一方、朝食を特に準備しない親は、教育にはあまり目をかけていない可能性が高く、塾などにも行かせていない確率が高い。
よって、「朝食を食べたから」成績がよくなったわけではなく、「朝食をきちんと準備するような家庭でしつけられたから」成績もよいと考えるのが妥当でしょう。
だから冒頭の「朝食を食べていない子供に朝食を食べさせる」は、一般論としてはいいことですが、それが成績アップに直結する確率は低いと言えます。
一般論と論理の正しさは必ずしも一致しない!
この「一般論としてはいいこと」がくせ者です。
だれでも「そりゃ朝食を食べないよりは食べたほうがいいに決まっている」「お腹が空いていたら頭が回らない」と思ってしまいます。
しかし、朝食を食べた「から」成績がいいのか、はそれとは別モノとして考えなければなりません。
私たちはこのようななんとなくの因果関係に引っかかってしまいがちです。
原因ではないものを原因であると思いこんでしまうのです。
もし原因が間違っていたら、いくら頑張って対策をしても効果はありません。
このような「残念な考え方」にならないためにはどうすればよいのでしょうか?
なぜタピオカは流行った?
そうです、5月14日に発売する書籍「脱!残念な考え方」をお読みください!
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本書では、朝食と成績の例のような、「ついやってしまいがちな好ましくない考え方」を15パターン紹介しています。
もうひとつ質問です。
Q.タピオカミルクティーはなぜ流行したと思いますか?
「インスタ映えしたからじゃない?」
これこそまさに「残念な考え方」です!(笑)
なぜこの解答が「残念な考え方」なのか、詳しくは本書をお読みください。
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