上海で感じた3つのビジネスチャンス

2017年1月1-5日に、中国の上海に行ってきました。

マーケティングをテーマに、気付いたことを3つご報告します。

あなたのビジネスに役立てば幸いです。

1.日本の三歩先を行っている個人金融

中国では、アリペイ、WeChatペイを始めとする電子マネーが非常に普及していました。

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これらはものすごく簡単に言うと

スマホに登録して使う、Edynanacoをさらに簡単かつ便利にした電子マネー

のようなものです。

中国の銀行口座などがないと作れないので日本人旅行者には縁がないかもしれませんが、中国在住者には必須と言ってよいほどです。

 

特徴1)街中の食堂など、ありとあらゆる場所で普及している

バーコードで決済するので、ICカード読み取り機などが必要ありません。そのため、屋台なども含めたありとあらゆるお店(店主)が導入しています。お財布なしでスマホひとつで外出しても買い物に困らないほどです。

特徴2)利子が付く

何と年5%ほど。「利子だけで毎日スタバが一杯飲める」という人もいるほど…

特徴3)割り勘、個人送金などの機能が便利

お店だけでなく、個人間の送金も簡単にできます。また、割り勘機能などもあり、飲み会の後によくある「えーっと、ひとり3,700円ね。あ、お釣りの小銭がない」なんてこともありません。

 

これら機能は、日本のはるか先を行っています。

もちろん、アリペイなどの口座から銀行の口座に戻すこともできます。

(日本でnanacoのチャージ額を現金に戻すことはできませんよね)

日本はおそらく法律的なものもあってこのような電子マネーのサービスは難しいのでしょう。中国が羨ましいほどです。

2.日本の「フォーマット」の輸出

羨ましがるだけではなく、ビジネスチャンスの話題を。

宿泊先のテレビはスマートTVになっていて、動画配信サービスのyoukuなどが見られるようになっていました。(このあたりの権利の問題はさておき…)

その中に、「しまじろう」の中国版番組がありました。

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歌のおにいさん・おねえさんと一緒に歌って踊ったり、工作をしたり、

鳥に耳はあるのか?という探偵コーナーがあったり、

車に乗るときの正しい乗り方の説明があったりと、

日本の「おかあさんといっしょ」をベースに、Eテレの幼児向け番組を詰め込んだような内容でした。

詳しくはこちらをご覧ください。(少し前の2010年の記事です)

toyokeizai.net

(中国の)9歳以下人口は約1億5900万人。日本の全人口を上回るボリュームであり、このうちの1割に当たる富裕層を対象と想定しても約1500万人。日本とは比較にならない巨大市場だ。(上記東洋経済サイトより引用)

と、すさまじい市場規模です。

私たちには見慣れたEテレっぽい番組フォーマット」も、中国の人には新鮮なのかもしれません。

実際、(国籍は忘れましたが)ヨーロッパの人が日本の「おかあさんといっしょ」を見て、「こういう番組は母国にはない、素晴らしい」と言っていたのを直に聞いたことがあります。

日本の「モノ」や「サービス」の輸出は増えつつあります。しかし、このような「日本人には当たり前のフォーマット」も、外国では新鮮、というものがまだまだあるのではないでしょうか。

単なる「サービス」だけではなく、「仕組み=フォーマット」の輸出もこれから期待できるかもしれません。

3.中国のサービス業の輸入

外国は日本に比べて「サービスが悪い」というイメージが強い人が多いのではないでしょうか。

ましてや中国というと、ぶっきらぼうで、愛想が悪くて…というイメージかもしれません。

もちろんすべてが、というわけではありませんが、そのイメージは早急に捨ててください。

日本のようにあらゆる場所でニコニコ、ということはありませんが、ある一定額を払えば、そのサービスの水準は日本のはるか上だと感じました。

たとえばある火鍋の店では、

●キッズスペース完備、専門の担当者が常にいる

●順番待ちの人に飲み物やお菓子のサービス(それで満腹になるのでは?などケチくさいことは言いません)

●無料でネイルのサービス

●小さい子供はテーブルでぐずらないよう、バルーンアートをしたり、プレゼントの小物をくれたりする

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(ネイルのサービス)

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(無料のお茶菓子)

二人で5千円くらいですから、今の上海の物価では超高級店というわけではありません。

ちなみにそのお店の日本支店はこちらです。

r.gnavi.co.jp

とはいえ日本とは人件費が違いますから、もちろん単純比較はできません。しかしこのいたれりつくせりのサービスは恐れ入りました。

他にも、「日本のサービスは一流だという人がいるけど、全然そんなことはない。むしろ中国の方が上では」と思うことがたくさんありました。

「日本のサービス(業)の輸出を」をはよく言われますが、むしろ逆で、上海を始めとしたよいサービス(業)を積極的に輸入すべきでは、と感じました。

 

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