クリティカルシンキング~「米野球、本塁打競争歴代優勝者が後半戦で絶不調に。だから出るな」は本当か

大谷翔平選手は本塁打競争に出ると調子を崩す!?

ネットニュースでこんな記事を見かけました。

大谷翔平は「オールスターで本塁打競争に出るな!」と米国人記者が警告「歴代優勝者が後半戦で絶不調に」

大谷翔平は「オールスターで本塁打競争に出るな!」と米国人記者が警告「歴代優勝者が後半戦で絶不調に」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
 エンゼルスの大谷翔平が3年ぶり3度めとなるア・リーグ週間MVPを受賞した。対象となった6月14日から20日までの成績は、まさに圧巻だった。

メジャーリーグで大活躍している大谷翔平選手についての記事です。
その大谷翔平選手がオールスターで本塁打競争に出場することについて、反対する声が多いとのことです。

理由のひとつは、出場する事による疲労です。

「現在23本塁打と、大谷と並んで本塁打数トップタイのゲレーロJr.(ブルージェイズ)は、2019年にホームランダービーに出場し、2位となったが、1回戦、準決勝、決勝で計91本塁打を記録しています。  これは単純計算で12分間で91スイング、じつに7.9秒間に1回のフルスイングをしていることになります。これは相当過酷で、彼は疲労困憊でした。そして、その後のシーズンでは、長らく不調に陥ったのです。そのことが頭にあるのか、ゲレーロJr.は、今回のホームランダービーには不参加を表明しています」

理由のもうひとつは、打撃フォームを崩すことへの懸念です。

「たしかに、強打者は試合前の打撃練習でポンポンとスタンドに放り込んでいます。ホームランダービーもその延長では? と思われる人が多いかもしれませんが、まったく違います。(中略)ホームランダービーでは本塁打を打つことだけを考えているわけですから、フォームも変わってきます。そのため、出場した選手が後半戦で打撃フォームを崩すといったことはこれまでにも多くありました」

確かにいずれももっともらしい理由です。

では、やはり本塁打競争に出場しないほうがよいのでしょうか?

このような問いですと本人の価値観、また「ケースバイケース」となってしまいがちです。

後半に調子を崩した原因は本塁打競争なのか?

そうではなく、次の問いで考えてみましょう。

「本塁打競争に出て、後半は調子を崩す選手が多い」
「後半に調子を崩した選手は、本塁打競争が原因なのか?」

さて、いかがでしょうか。

私の答えは
「後半に調子を崩した選手は、本塁打競争があってもなくても調子を崩していた可能性が高い」
です。

まず、オールスターの本塁打競争に出る選手とは、大谷翔平選手のように、前半戦の成績が超すばらしい選手に限られます。

そのような選手のすべてが、後半も同じように超すばらしい成績を残し続けられるかというと、おそらく難しいでしょう。

人には調子の「波」がありますし、たまたまその調子の波が前半に来ていたケースもあります。
また、本塁打競争に関係なく、疲労やケガなどで調子を落とすケースもあるでしょう。

大谷翔平選手も、今は確かに素晴らしいですが、ではこの本塁打のペースが後半戦も続くかと聞かれたら、あなたもさすがにペースは落ちるだろうと思うのではないでしょうか。

(とはいえ我々の予想を上回ってくるのが大谷選手なのでとんでもないことを成し遂げるかもしれませんが…)

「後半に調子を崩す選手」は必ず一定数いる

A)「前半はイマイチ、後半は絶好調」の選手
B)「前半は絶好調、後半はイマイチ」の選手

おそらく両方とも同じくらいいるはずです。
でもオールスターに出られるのはB)の選手だけです。

そしてそのような選手は「後半イマイチなのは、本塁打競争に出たからだ」と本塁打競争が「犯人」にされてしまうのです。

A)の選手は本塁打競争どころかオールスターにも出られません。
でも「オールスターに出なかったから、後半は絶好調だ」とは言われませんよね。

単純に
「前半が絶好調の選手は、後半は調子を落とす=それよりは成績が下落する可能性が高い」
「そして、その原因を『ホームラン競争の疲労や打撃フォーム崩し』に求められがち」
と言えるのではないでしょうか。

ワクチンのネガティブ報道も…

これは昨今のワクチンに関する報道にもあてはまります。

「ワクチン接種後に死亡」「重い疾患、副反応では」…

このような報道を見ると、怖くなりますよね。

しかし日本中で数千万人もの人がワクチンを接種すれば、その後に病気になる人、亡くなる人は一定数必ずいます。

それが「ワクチンが原因か」はきちんと統計をとらないとわかりません。
「朝パンを食べたら車にはねられた」からといって、パンを食べると車にはねられやすくなるわけではありませんよね。それと同じです。

「本塁打競争に出た後、調子を崩す選手は多い!」

それは事実かもしれませんが、

「調子を崩した原因が、本塁打競争か」

は別問題です。

誤った原因に飛びつかないよう、注意しましょう。

※これは本書3で紹介している「誤った原因に飛びついてしまう」のケースです!
本書ではこのようなついついやってしまいがちな「残念な考え方」を15種類紹介しています!

 

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