体験過信という言葉をご存知でしょうか。
私のロジカルシンキングやクリティカルシンキングの研修でも出てくる用語です。
ダイエットには成功したが…
私は20代の頃、ダイエットに成功したことがあります。
当時、アメリカで低炭水化物ダイエットが流行りだしました。
私はそれを真似して、炭水化物を減らし、その他の食べ物も単純に減らしました。
すると、もともとさほど太っていないにもかかわらず、5kg痩せることができました。
「なんだ、結局ダイエットってやるかやらないか、だけじゃないか。ダイエットに失敗する人は単に食べてるだけじゃないか。俺みたいに我慢さえすればダイエットなんて簡単だよ。」
こうして私はダイエットに成功した経験があるため、
ダイエット=簡単でいつでもやろうと思えばできる
このようなイメージが形成されました。
それから幾年月が経過しました。
私は自分のお腹の肉を見つめて
「俺はダイエットに成功したことがあるから。いつでもダイエットしようと思えばできる。」
と思っています。(そして実行には移しません。)
体験を過信しない
体験は非常に大事なものです。
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、実際に見たこと、体験したことは、何事にも代えがたい財産です。
しかしそれが体験=絶対となってしまうと要注意です。
体験は重要ですが、それは「その人にとって」に過ぎません。
私はマドリードに行ったら思ったよりも治安が良かったので「なんだ、マドリードって治安がいいじゃないか」と思いました。
しかしそれも私の行ったエリアが良かったこと、そして私が身長180cm超の男性だったので「たまたま」危ない目に合わなかっただけかもしれません。
「自分はこれでうまくいった」「昔はこれで成功した」など、自分の体験を仕事でも重視しすぎていないでしょうか。
体験は大事ですが、それは「サンプル数1」に過ぎません。
体験を過信しないようにしましょう。
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