【事業再構築補助金】第10回公募要領の気になった追加・変更点⑥事前着手は一部枠のみ

事業再構築補助金の第10回公募要領が公開されました。申請枠が「成長枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」に変わるなど、第9回からかなり変更した印象があります。

それら枠の変更といったわかりやすいもの以外で、見落としがちな変更点をピックアップします。

※以下の解釈は(株)東風社・幸本陽平が公募要領から独自に行ったものです。申請の際は必ずご自身で公募要領をご確認ください。以下の情報に従って申請を行った結果について、当社は責任を負いません。また、以下の記載は予告なしに変更する場合があります。

事前着手申請制度が最低賃金枠と物価高騰対策・回復再生応援枠のみに

※公募要領 8.事前着手申請の手続き P.38 より

事業再構築補助金に限らず、補助金は「採択されてから支出する」のが原則です。

【基本的な流れ】
補助金を申請する
→採択される
→補助金の事業(補助事業)を行うために購入・支払いをする
→領収書など、報告書を出す
→報告書などが認められる
→補助金が支払われる

逆に言えば「採択される前の支出は、補助金の対象とならない」のが原則です。

しかし、事業再構築補助金はもともとコロナ禍で苦境に立たされた中小企業が事業の再構築にチャレンジする補助金であるので、採択の可否を待っていてはその間に業績が悪化して再構築すら不可能になる場合があります。

そのため、事業再構築補助金には「事前着手申請」という制度があります。
簡単に言えば
「届け出をしておけば、採択前の支出も補助金の対象としますよ」
という制度です。

その事前着手申請の制度が、第10回より一部変更となります。

成長枠は事前着手申請の利用不可に

以下は第10回公募要領です。

交付決定前に補助事業を開始された場合は、原則として補助金の交付対象とはなりません。
ただし、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠に申請する事業者については、早期の事業再構築を図っていただくために必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手の承認を受けた場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。

最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠(のみ)が事前着手を利用できる、とあります。

もっともオーソドックスな申請枠で補助上限も7,000万円※と高い成長枠は事前着手制度が使えなくなりました。
※最低賃金枠は上限1,500万円、物価高騰対策・回復再生応援枠は上限3,000万円。

事業再構築補助金は従来、「コロナでピンチの事業者の事業再構築」を促すことが目的であり、売上の減少などが応募条件でした。

しかし第10回からはコロナの影響も含みつつ今後の成長を促す方向性になり、売上減少の条件も成長枠では必須ではなくなりました。

そのため「成長枠に応募する企業は立て直しの緊要性は薄いよね」と判断され、だから事前着手はいらないよね、急ぎならそれは自腹でね、とみなされたのかもしれません。

事前着手制度を利用する事業者は、応募する「枠」に該当するか、注意しましょう。

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