伝えるには : 「AなのにB」

テレビ離れと言われて久しいですが、それでもテレビは「伝える」手法についてはトップクラスだと言えます。

なにせ「たまたま」チャンネルをつけた人に見続けてもらわないといけないので。
(だからこそ、広く浅く誰が見ても無難なコンテンツになってしまうことがテレビ離れを招いているのでしょうが、それはそれで別の問題として。)

先日もテレビを見ていて、ある手法が多いことに気付きました。それは、

  • マズいのに大人気のトマト
  • 1本600円もするのに売れるバナナ
  • ズブの素人なのに自分で建てた家

以上のような「AなのにB」という表現が多く使われていることです。

人が興味をひかれる要素の一つは「疑問」、「どうしてなんだろう?」「それって何だろう?」ということです。

特に「AなのにB」という意外性ギャップがあると、「どうして?」と気になるわけです。

頭の中のモヤモヤをそのままにしておきたくないから、ついその答えを知りたくて見てしまうのですね。

あなたの会社やお店でも、この「AなのにB」を活用してみてはいかがでしょうか。

たとえばこんな商品はどうでしょうか。

  • 30年の経験を持つベテランの職人が作った、絶品の和菓子です。

確かにおいしそうだな、と思いますが、それだけです。特に印象に残りません。
それに対して次はどうでしょう。

  • わずか3ヶ月だけ修行した見習い職人が作った、絶品の和菓子です。

「3ヶ月」と「絶品」にギャップがありますよね。
これだけを見たら「いやいやそんな新入りではダメでしょ、おかしいでしょ」と思いますよね。

ところがこれに「その職人はこれまで30年、洋菓子のパティシエをしていました」という情報を加えるとどうでしょう。

「なーんだ、そういうことか」とスッキリしますし、洋菓子職人が作る絶品和菓子、って気になりますよね。

人は意外性ギャップに目が留まります。

正直に正攻法なのも素晴らしいですが、あなたの会社・お店にある

AなのにB

を探してみてはいかがでしょうか。

 

代表・幸本陽平 プロフィール

幸本 陽平
幸本 陽平
化粧品デパートのマーケティング業務に携わり、その後独立。
研修や執筆、マーケティングをわかりやすく伝えるための活動などに取り組む。

(株)東風社代表取締役 中小企業診断士 一橋大学卒
広島市在住、新潟県長岡市出身

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