デジタルネイティブに必要なのは「他者目線」

この時期、新入社員研修をいくつか行いました。

そこで感じたのは
「今の新入社員はプレゼンテーションが本当にうまい」
ということ。

ワーク成果の発表や、プレゼンテーションの練習などをしてもらうと、もう10年くらい勤務していますか?と思うほど、発表やプレゼンテーションが上手です。
私が新入社員だったころと比べると雲泥の差です。

これはいわゆる「デジタルネイティブ」であることも関係しているのでしょうか。
私が大学生だったころは、「人前で発表する」機会は大学のゼミなどごくわずかでした。

しかし、今の22-23歳前後はデジタルネイティブで、友人とのコミュニケーションもテキストや動画などで頻繁に行われます。
発信する手数の経験が私世代とは圧倒的に異なるのでしょう。

さらに日々、YoutubeやTiktokなどを見ているうちに、「どうすれば相手を引き付けられるか」の術を学んでいるのではないでしょうか。
発表でしどろもどろになる人は少なく、多くの新入社員が堂々と発表していたのが印象的です。

しかし、プレゼンテーションがうまいがゆえの「弱点」もあります。

それは「つい自分視点になりがちで、相手視点をおろそかにしてしまいがち」な点です。

発表やプレゼンテーションは、常に「相手」がいます。

そしてそのプレゼンの良し悪し・出来不出来を決めるのは、自分ではなく相手です。

たとえ新商品を完璧にプレゼンしても、相手が「ウチは必要ない」と判断したら、そのプレゼンは「失敗」です。そこに話し方のうまい・下手は関係ありません。

新入社員のプレゼンは、うまいがゆえに、自分本位になっている点がまま見られます。

私が「この表現はわかりにくい」「相手が違う意味で解釈するおそれがある」などと指摘しても、「いや、私たちが伝えたいことは○○なんです!」と頑なに譲りません。

これが「自分たちの意見を発表する場」ならそれもわかります。
しかしプレゼンは「相手の気持ちや行動を動かす・変える」という明確な目的・ゴールがあります。「自分の主張を伝える」ことはプレゼンではありません。

プレゼンは「自分視点」から「相手視点」への切り替えが必要です。

YoutubeやTiktokは、幅広い不特定多数の人に向けられたものではありません。「見たい人・気に入った人が見ればいい」というスタンスです。そのため、自分本位の動画であっても、それが100人にひとりでもバズれば大成功となります。

しかしプレゼンはそうではありません。
目の前にいる人、その人に刺さらなければなりません。
「相手の意見や考えはどうでもいい、私の伝えたいことを伝えてわかってもらわねば」、これはプレゼンではありません。
YoutubeやTiktokに自分の趣味で動画をアップする際はそれでもいいかもしれませんが、プレゼンではそうはいきません。

せっかくプレゼンの伝える力は非常に高いのですから、あとはこのあたりの「相手視点」「相手本位」で考え、内容や構成を(たとえ自分の考えとは違っても)相手に寄せることができるチカラ、これを新入社員が身につければ最強になるのではないでしょうか。

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