「過去のユーザー」は本当にベストなターゲット顧客か?

安易に顧客ターゲットを設定していませんか?

マーケティング研修やコンサルティングにて。

受講者に商品/サービス(以下まとめて商品)のマーケティングプラン、特に顧客ターゲットを考えてもらう際に、よく出てくるプランがあります。

それは
「過去にその商品を使って(買って)いたが、今は使っていない人」
をターゲットにする、という考え方です。

特に「昔は流行したが、今はあまり人気がない」ような商品だと、「昔を懐かしがって買ってくれるのでは」と想定するわけです。

まったく知らない人よりも、知っている人の方が売りやすいし売れるでしょう、昔は買っていたのだから、という考え方ですね。

もちろんそのような顧客ターゲットの設定がすべてNGなわけではないのですが、おおむね危険であり、うまくいかないことが多いです。

それはいったいなぜでしょうか。

「過去ユーザー」に要注意

「過去に利用したことがあるのに今は買わない」人は、その商品に対して既に知識や経験があるにもかかわらず、なんらかの理由で購買を控えている、と考えられます。
ということは、「買わない」理由が明確にある可能性が高い、と言えます。

その商品を「知らない」人は、いわばゼロからのスタートです。それに対して「買ったことがあるけど、今は買わない」人たちに売ろうとする行為は、「買わない」理由がある人たちに売ろうとする、すなわちゼロではなくマイナスからのスタートとなる可能性が高いです。

一方、その商品を「知らない」または「知っているけど、使ったことがない」人は、その商品の認知や経験が足りないだけで、商品について詳しく知ったら、もしくは使ってみたら「実はイイじゃん」とファンになる可能性があります。単純に、新しい顧客層を開拓することで、市場拡大の可能性も広がります。

もちろん、「過去に買ったことがあるけど、今は買わない人」の中には、明確な理由がなく「なんとなく買わない」だけで、何かきっかけがあったり、ライフスタイルが変化したりすることでまた買うようになる場合ももちろんあります。

しかし、前述のようにその商品に対して「マイナス」の意識である可能性が高いため、安易に「昔買った人が懐かしがって買うはず!」とは言えません。

一人ひとりを想像しよう

マーケティングで忘れてはならないことは、お客様一人ひとりの気持ちや考えを推し量ることです。

ざっくりとした「昔を懐かしがって買うだろう」のような希望的観測はたいていうまくいきません。

「今買ってないのだから、きちんと今買わない理由を知り、それを解消しないと」と段階を追って考えることを心がけましょう。

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