数年前のことです。
ある人から「相談をしたい、意見がほしい」との連絡があり、打ち合わせの席を持ちました。
私としては、私の意見が役に立つのならなんでもお話ししますよ、くらいの気持ちで打ち合わせに臨みました。
ところが、その人はほぼ一方的に説明をするのみです。
私に意見をもらうのに、この前提説明の理解が必要なのかな?と思って聞いていたのですが、いつまでも私に質問してくる気配がありません。
結局、その人との打ち合わせは、その相手の話が9割、私の話が1割ほどで終わり、
「あれ、私の意見が欲しかったんじゃないの??」
という気分で席を立ちました。
このように、人というのは「話したい」ものです。
自分の話を聞いてほしいのです。
特にビジネスの最前線にいるような人たちは自分の考え、意見があります。
それを「相手にわかってもらいたい、聞いてもらいたい」という願望があります。
私の体感では、打ち合わせで同席するような経営者の方だと、9割がそのタイプです。
「自分は話すよりもあなたの話を聞きたい」という姿勢の人は、1割以下です。
これは逆に言えば、「聞く」ことに集中するだけで、話したい9割の人に満足してもらえるということです。
もちろん「聞く」ことも技術がいるので、ただ黙ってウンウンうなずけばよい、というわけではありません。
とはいえ、「話したい」気持ちをグッとこらえて「聞く」だけで、相手に満足してもらえる可能性が高まるのです。
あえて「話す」よりも「聞く」ことが相手に満足感を与えるコツです。
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