【価値交換フロー】003 マーケティングの”ズレ”を直す

”売るテクニック”からの卒業
世の中にはさまざまなマーケティングのフレームワークや理論があふれています。
それに対して、なぜ私はこの「価値交換フロー」を提案しているのでしょうか。
まず一つ目の理由として、多くの方がマーケティングを「売るためのテクニック」だと思っていることがあります。
本来、マーケティングの中心はお客様でなければなりません。
商品や売り方は、考えるべき要素としては二番手以降なのです。
これは意外に思われるポイントかもしれません。
私は一日で実施するマーケティング研修の最後に、受講者の方にワークを行っていただくことがあります。
そこでは実際の新規事業の計画立案や事業の立て直し、あるいは架空のケーススタディに取り組んでもらいます。
すると、たいていの方がすぐに「売り方」に走ってしまいます。
例えば、「インスタグラムを週1回更新していたのを、週3回に増やそう」といったことです。
それは小手先のテクニックに過ぎず、マーケティングの本質ではありません。
マーケティングの中心はお客様なので、
「インスタグラムの更新を増やすことで、お客様はどう幸せになるのか?」
の答えが明確でなければ、それはマーケティングの適切な施策とは言えません。
マーケティングとは、最初から最後まで、お客様を見つめたものでなければなりません。
しかし、そのことが浸透しておらず、「こんなことをしたら売れた」「こんな商品を作ったらヒットした」といった情報ばかりが一人歩きしています。
その結果、商品や売り方の工夫こそがマーケティングだと誤解されているのです。
そのような誤解を解き、中心にお客様がいるという原点に立ち戻るために、お客様にとっての価値を考える「価値交換フロー」を提言しています。
実務と知識のギャップを埋める
そしてもう一つの理由が、以前にも触れたように、マーケティングと実務のギャップを埋めたいという思いがあったからです。
マーケティングはあくまで学問であるため、学んだからといって、それがすぐに売上アップや業績改善に直結するわけではありません。
マーケティングをしっかり学んだとしても、
「では、わが社はどうすればよいのか」
「この商品をどう立て直せばよいのか」
という問いに、教科書の知識が直接に「行動」としての答えを与えてくれるわけではありません。
そこで私は、チェックリストや穴埋め表を埋めていくかのように、項目をきちんと考えていけば最低限の抜け漏れや誤りを防ぐことができる、そんな「マーケティングのセオリー」を作りたいと考えました。
しかし、それは容易なことではありません。
マーケティングと一言で言っても、BtoBもあればBtoCもあり、個人商店もあれば大企業もあります。
さらに、新規事業と既存事業でも勝手が違います。
形のある「商品」か、形のないヘアカットやマッサージといった「サービス」か、でも異なります。
あらゆる状況に対応する理論を作るのは、非常に難しいものです。
とはいえ、マーケティングの基礎や根幹部分は、どんなビジネスであっても共通しています。
そこで、あらゆるビジネスに共通する要素を抜き出し、普遍化して、大事な部分をしっかり押さえられるようにしました。
それが「価値の交換」を生み、適切なマーケティングの実行につながると考えたのです。
その結果として生まれた価値交換フローは、業種や業界、企業規模に関係なく使える普遍的なフレームワークとなっています。
価値交換フローで「使える」マーケティング!
マーケティングとは、単なる商品の工夫や売るテクニックではない。
そして、学問としてのマーケティングを実務に落とし込み、使える形にする必要がある。
この二つの思いから生まれたのが、価値交換フローなのです。
次回、価値交換フローの根幹ともいえる「価値」について詳しくお話しします。

